今、クルマが高い! 安いイメージの軽自動車でさえ200万円台のプライスもザラにある。そこでモノ・マガジンWebの自動車ライター海野氏がチョイスした100万円台で買えるオススメのクルマをここで一挙に紹介する。年末のアメ横商戦もびっくりな高コスパモデルも登場⁉
写真/熊谷義久 文/海野大介
安全基準適合や予防安全装備の充実などクルマの価格が高くなっている。その昔、筆者のようなビンボー学生が頑張れば買えそうな新車の代名詞は軽自動車だった。それが今や200万円クラスも「何か?」的雰囲気で数多く存在する。格安モデルといえば軽トラが筆頭。かろうじて2桁万円で新車が購入できるがそれは最終手段として残しておきたいモノ。合法速度で性能をフルに使える軽トラは隠れたスポーツカーだったり、荷台をカスタムすれば簡易キャンピングカーになったりと仕事を一歩離れればこだわりのモノマガ人を唸らせることができるから。
このままでいいのか、諸君! と何かの選挙活動かギレン総裁の演説のようになってしまったが、価格をひっくり返すことはできないので、ちまちまとチラシを見比べる賢い主婦のようにメーカーサイトを見比べて100万円台で買える「新車」を探してみた。すると意外にあるではないか。乗って楽しい(速い)、装備も意外に充実(うまい)、そして安い、と牛丼の𠮷野家のCFみたいなクルマたちが。
でもそれってベースモデルで何もついてないんでしょ、とお思いの皆様、仰せの通り。確かにオーディオやナビはオプションだけど逆に考えるとそれらは昨今、スマホのアプリで事足りるモノが多いから最初から必要性がないのかも。それならアフターパーツに投資するも納車後の旅行資金にあてるもすべてアナタ次第!
[THIS LINEUP]
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◎軽さの光るエントリーモデルに開眼!
◎使い勝手の良さとブレない低価格と低燃費
◎新ジャンルの軽自動車としてデビュー
◎すべてが平均値以上のコンパクトカー
◎すべてのシーンで大活躍間違いなし!
◎フトコロの深いエントリーモデル
◎どんなヒトにも超絶フィット!
軽さの光るエントリーモデルに開眼!
フロンテの姉妹車として1979年にデビューして以来、大ヒット街道を突き進むスズキ・アルト。ここで登場するのは現行モデルのエントリーグレードになる。アルト自体、税制面で有利な商用車としてデビューした背景がある。当然オススメは簡易装備のエントリーグレード。現行モデルは商用車になっていないが、荷物を載せるための頑丈なボディ、積載時でも加速する絶妙なギヤ比、回せばパワーの出るエンジン、発想はレーシングカーと同じモノなのだ。
使い勝手の良さとブレない低価格と低燃費
2011年に初代発売、2017年に現行型が登場。低価格で安っぽいイメージを払拭するかのごとく、室内の樹脂パーツもシボを使うなど見た目も向上。センターコンソールのオモテナシはさすがで、箱ティッシュを置いてもその下も収納スペースに。まさに㎜単位でこだわるクルマらしい逸話がフロントグリルのエコをイメージした「葉」バッヂ。グリルのラインをそのままにしてエンブレムをつけると、数㎜だけ軽自動車規格を超えてしまうので、あえて窪ませている。
新ジャンルの軽自動車としてデビュー
人気の軽トールワゴンとSUVを掛け合わせたモデルとして2014年に初代がデビュー。2代目となる現行モデルは2020年に発売された。丸いライトなど基本デザインは先代のキープコンセプトで、アウトドアから街中まで「映え」るデザインで人気。装備も深夜の通販番組的表現ならば今なら、全車速追従機能付ACCと車線逸脱抑制機能をこの価格ながらも標準装備! と充実。しかも使わないユーザー向けにはレスオプションも。
すべてが平均値以上のコンパクトカー
それまでのヴィッツから日本でも「ヤリス」のネーミングになったトヨタの世界戦略車。GRモデルなど上を見ればきりがないけれど、通常のエントリーモデルならば充分100万円台でターゲットになる。オトナ4人は厳しいけれど、自分の下駄として割り切るのなら趣味車としてもあり。クルマ自体のできは2021年にヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた実績もある実力「車」、一度ステアリングを握ると納得できる1台。
すべてのシーンで大活躍間違いなし!
2020年にデビューした軽規格のクロスオーバーSUV。タフさをイメージづけるデザインと扱いやすいサイズで大人気となっている。そんなタフトも100万円台で狙える一台。悪路よりも都市部での走りの良さに重点を置いているが、高められた車高は想像以上に使いやすい。特長でもある大きなガラスルーフのスカイフィールトップは全モデル標準装備。ということは価格による装備の差はわずか、というお得なクルマなのだ。
フトコロの深いエントリーモデル
2019年のデビューと同時にそれまでのデミオからマツダ2のネーミングに変わったマツダのエントリーモデル。インテリアの質感はコンパクトモデルながら定評を持ち、2021年のマイナーチェンジ後は、走りの質、気持ち良さが大幅に向上し、それはもうにやけてしまうほど。100万円台でも6MTを持つグレードも用意されているのは嬉しい限り。ボディカラーや内装の組み合わせも比較的自由度が高く値段を感じさせないモノに。
どんなヒトにも超絶フィット!
とかくフィットと申しますと走りの「RS」やモデューロXなどが注目を集めがちだが、それって元の素性の良さがあってこそ。ということでフィットもここにエントリー。普段使いではその広い室内空間や多彩なシートアレンジは魅力だし、路地裏では取り回しの良さが光る万能選手。もちろん、一人でイケイケな時はi-VTECエンジンの気持ちいい吹け上がりに魅了されること間違いなし。早い話が高バランスなクルマに仕上がっている。
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