菊池雅之のミリタリーレポート 日本晴れ! 築城基地航空祭2023


オープニングフライトに向けて離陸する第8飛行隊のF-2。尾翼にはシンボルマークの黒豹が描かれている。

九州エリアの空の重鎮・築城基地(福岡県)——。
ここには、第8航空団が司令部を置き、第6飛行隊及び第8飛行隊が編成されています。

この2個飛行隊で運用しているのがF-2A/B戦闘機です。国産の戦闘機であり、2000年より配備されたことから「バイパーゼロ」と呼ばれています。単座のA型、そして複座のB型の2種類が存在しています。

その築城基地において、2023年11月26日、「築城基地航空祭2023」が開催されました。ブルーインパルスが飛行するという事で、開催前から大きな話題となりました。

まずはオープニングフライトとして、F-2が編隊で基地上空を飛行しました。編隊から離れる際には、客席前で背中を見せての大迫力のブレイク。いきなり惜しげもなく繰り広げられていく見せ場に早速大歓声が上がります。

オープニングから派手な飛行を繰り広げてくれたF-2に観客は大喜び。

正午頃にはブルーインパルスが飛びました。通常航空祭の最後を飾るのがブルーインパルスの役目なので、ショーの真ん中で飛ぶのはなかなか珍しいことです。築城基地では4年ぶりとなる参加となりますので、期待は高まります。この日は、まさに雲ひとつない日本晴れ。風もほとんどなく、最高、そして絶好の環境。晴天時のみに行われる第1区分が問題なく繰り広げられていきました。冬季限定課目である「クリスマスツリーローパス」も盛り込まれ、多くの方々が魅了されました。

築城基地航空祭では4年ぶりとなるブルーインパルスの曲技飛行。

この他、芦屋基地救難隊の捜索救難機U-125及び救難ヘリUH-60JⅡによる救難展示、第305飛行隊(新田原基地)のF-15Jによる機動飛行展示、第13飛行教育団(芦屋基地)のT-4、第12飛行教育団(防府基地)のT-7による航過飛行、さらには陸自第1戦闘ヘリコプター隊(目達原駐屯地)の戦闘ヘリAH-64Dによる機動飛行、海自第71航空隊の救難飛行艇US-2による低速でのフライバイ等々陸海空自衛隊の航空機がこれでもかと飛び回りました。

芦屋基地に所在する第13飛行教育団のT-4。学生が乗る機体のため、お互いの姿が良く見えるように、機体を紅白に塗っている。
新田原基地に所在する第305飛行隊のF-15Jによる機動飛行展示。
目達原駐屯地に所在する第1戦闘ヘリコプター隊の戦闘ヘリAH-64Dは、観客の目の前で機動性をアピールした飛行を実施。

加えて民間団体であるウイスキーパパ競技曲技飛行チームも参加し、エクストラ300Lにてキレキレの曲技飛行が行われました。

午後からは、F-2による飛行展示が行われ、航空祭は幕を閉じました。

ウイスキーパパ競技曲技飛行チームのエクストラ300L。操縦桿を握るのは医師でありパイロットでもある内海昌浩氏。

来場者数は6万8千人を数えました。第8航空団の飛行展示は、低い!早い!大迫力!と3拍子揃っているのでとても人気があります。

この日もその期待を裏切らない素晴らしい航空祭となりました。

大人気課目であるバーティカルキューピッド。青い空だと一段と映える。
  • 軍事フォトジャーナリスト.。1975年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。講談社フライデー編集部専属カメラマンを経て軍事フォトジャーナリストとなる。主として自衛隊をはじめとして各国軍を取材。また最近では危機管理をテーマに警察や海保、消防等の取材もこなす。夕刊フジ「最新国防ファイル」(産経新聞社)、EX大衆「自衛隊最前線レポート」(双葉社)等、新聞や雑誌に連載を持つなど数多くの記事を執筆。そのほか、「ビートたけしのTVタックル」「週刊安全保障」「国際政治ch」等、TV・ラジオ・ネット放送・イベントへの出演も行う。アニメ「東京マグニチュード8.0」「エヴァンゲリオン」等監修も行う。写真集「陸自男子」(コスミック出版)、著書「なぜ自衛隊だけが人を救えるのか」(潮書房光人新社)「試練と感動の遠洋航海」(かや書房) 「がんばれ女性自衛官」 (イカロス出版)、カレンダー「真・陸海空自衛隊」、他出版物も多数手がける。YouTubeにて「KIKU CHANNEL」を開設し、軍事情報を発信中
  • https://twitter.com/kimatype75

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