「In cucina con Matteo! ~マッテオのキッチン~」!
本場イタリアの家庭の味、美味しい「ラグー」をお届け!


イタリア料理の講師を務めるマッテオ・インゼオさん。今回は家庭でも手作りしやすい、本場イタリアのパスタ料理「Pici al ragù(ピーチ・アル・ラグー)」を教えてくれました!

イタリア料理の講師を務めるマッテオ・インゼオさんが、簡単にできて美味しいイタリア料理を、毎月1品紹介してくれるこのコーナー!

今回は、日本でも馴染み深いパスタ料理「Ragù(ラグー)」とワインのとっておきのペアリングを披露! 

日本では「ミートソース」という呼び名でも親しまれている、パスタソース「ラグー」は、肉や野菜をカットしてトマトを加えて煮込む料理で、「Ragù alla bolognese(ラグー・アッラ・ボロネーゼ)」としても有名です。

タマネギ、ニンジン、セロリなどの野菜は、あらかじめ角切りにし、半月包丁を使い均等な大きさになるよう、細かく刻みます。大量の野菜を刻む時にこの包丁があれば、野菜を均一に刻むことができて便利です!

イタリアの家庭では一般的に使用されている半月包丁。シーソーのように揺らすことで、様々な食材のみじん切りが簡単にできる便利な包丁です。
EPPICOTISPAI/半月包丁
価格4000円
問ディアレッタ 042-843-0740

野菜を鍋で炒めたら、挽肉を加え数分火にかけ、赤ワインを入れ、アルコールを飛ばしてから、トマトピューレを加えます。

焦げないよう、弱火でコトコト約40分間煮込みます。さらに時間をかけて煮込めば、コクのある濃厚なパスタソースに仕上がります。

日本人にとっても馴染み深い、シンプルなパスタソース「ラグー」!

今回使用するパスタは、シエナの伝統的なパスタ「Pici(ピーチ)」。モチモチとした食感が特長の太打ちのパスタです。

「ピーチ」は、シンプルなトマトソースから濃厚なパスタソースまで、幅広く相性が良いです。
ANTICO PASTIFICIO MORELLI/PICI
価格1242円
問EATALY銀座店 03-6280-6581

平たいロングパスタの「Tagliatelle(タリアテッレ)」や「Pappardelle(パッパデッレ)」などのパスタも、ラグーソースと相性が良く、イタリアではよく用いられるそうです。

「ピーチ」は太麺パスタなので、時間をかけてしっかりと茹で上げます。出来上がったラグーソースにパルミジャーノをかけて、バジルを飾れば「Pici al ragù(ピーチ・アル・ラグー)」の完成です!

これぞ、イタリアの代表的な家庭料理「Pici al ragù(ピーチ・アル・ラグー)」! 濃厚なラグーソースが太麺パスタによく絡んで、美味しそう!

「イタリアで作られるラグーにも特性があり、素材が異なります。代表的な『Bolognese(ボロネーゼ)』は、ひき肉で作るパスタソースです。ナポリでは、ブロック肉を煮込んで作ります。さらにトスカーナでは、ひき肉とソーセージの一種である『Salsiccia(サルシッチャ)』を一緒に煮込むなど、地域によって異なります」と教えてくれた、マッテオさん。

同じ料理でも、実は地域によって食材や調理法が、少しずつ異なるものなのですね。さらに、食だけでなくワイン大国でもあるイタリア。今回は、ピエモンテ州で造られる、イタリアワインの格付け最高位「D.O.C.G.」に認定されている、長期熟成の赤ワイン「Barolo(バローロ)」との贅沢なペアリングも楽しみました!

FONTANAFREDDA/BAROLO SERRALUNGA D’ALBA
価格9511円
問EATALY銀座店 03-6280-6581

フォンタナフレッダ社の本拠地である、バローロ生産地区のなかでも条件の良いエリア「セッラルンガ・ダルバ」で生産されたネッビオーロだけを使った、高品位なワインの「バローロ」。

「高級感のある良い香りで、重めでしっかりしていてスパイシーな味わいが楽しめる、Corposo(コルポーゾ)=フルボディなワインです。ラグーなどお肉を使った料理にお勧めします。時間の経過とともに変わる味わいを、楽しめるって良いですね」と、マッテオさんもその味わいを堪能します。

しっかりとした果実味と奥行きのある味わいを感じられる、特別な日に開けたい1本!

「イタリアでは、丁寧に育て収穫した素材を料理にも使用するし、それはワインにもいえることです。少し値が張っても身体に良いモノを取り入れたいですし、そのため価値あるモノを保護する文化もあります。近年イタリアでは、『Km 0(キロメトロ・ゼロ)』という、日本でいう『地産地消』が盛んで、地元の食材や地元のワインを大切にする人が増えています」

「僕はよくプーリア州やピエモンテ州の赤ワイン、カンパーニャ州の白ワインなどを好んで飲みますが、知人を招いて料理を振る舞う時にも、やっぱりいつもより特別なワインを選びたくなるものです!」とも語るマッテオさん。

本場イタリアでは、肉・魚などメインディッシュの食材や味付けに応じて、料理とのコンビネーションを考え、ワインを選ぶことも多いそう。

簡単に極めることはできませんが、家でイタリア料理を味わう日には、ちょっと特別なワインを意識して選ぶと良いですね! 日本でも本場に近い味わいを再現できるパスタ料理「ラグー」と、ワインのとっておきのペアリングを楽しんでみよう!

※毎月2日発売の「モノ・マガジン情報号」で連載開始!
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Matteo Inzeo(マッテオ・インゼオ)さん
1976年生まれ、ラツィオ州ラティーナ出身。ローマ大学日本語・日本文学科卒業。2003年より東京でイタリア語教師として活躍。2005年よりNHK TV、NHKラジオに出演。10月よりNHKラジオ「まいにちイタリア語(応用編)」に出演中。趣味は外国語学習、ファッション、読書、料理などで、空手初段、フィギュアスケート1級。

マッテオ・インゼオ
instagram.com/matteoinzeo

ベリタリア イタリア語・文化教室
(電話)03-6416-9308
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