今年1月19日の発売開始後、快進撃を続けるローソンの「もちもちチーズまる」。カウンターフーズとしては「からあげクン」に次ぐ大ヒット作になりそうな予感だが、一度食べるとヤミツキになる理由はどこにあるのか? 商品開発を担当したローソン商品コンセプト開発部・内田恵美さんに「もちもちチーズまる」の開発秘話をうかがった。
mono:発売から1か月が経ちましたが手応えは?
内田:おかげさまで大きな反響をいただき、とくに30~50代の女性の高いご支持をいただいています。これまでカウンターフーズを買っていただけていない層にアピールができたのではないかと思います。
mono:「からあげクン」に迫る勢いですか?
内田:いえいえ、「からあげクン」はローソンの絶対的王者なので。なかなか追いつくのはむずかしいですが、今後はそこを狙って育てていきたいですね。ただ、購入層には大きな違いがあります。同じく女性の支持が高いですが、とくにお子さまをお持ちの女性に人気なのが「からあげクン」。一方、「もちもちチーズまる」はどちらかというと、女性がオフィスで小腹が空いた時に食べるとか、少し層が異なるような気がします。
mono:そもそもの開発のきっかけを教えてください。
内田:カウンターフーズでは弊社を含め、どのチェーンをみても鶏肉系が多いと感じていました。そこで、鶏肉系ではない新しいおやつの提案ができないか、というところから開発がスタートしました。甘いものにはすでにいろんな選択肢があります。例えば手軽につまめるチョコレートとか、スイーツでは和なら大福、さらにプリンのような半固形的なもの、ケーキ系もありますよね。ですが、塩っぱい系のおやつが食べたいという時は、お煎餅やスナック菓子とかわりと選択の幅が狭い。そこで、小腹満たしに最適な非鶏肉の塩っぱい系おやつを目指しました。
mono:商品のこだわりをたっぷり教えてください!
内田:今までにない商品をつくりたいという想いがあり、”もちもち”した食感という部分が一番のこだわりポイント。例えばお煎餅やスナック菓子だと、デスクで食べると音がしますし、食べカスがボロボロと落ち、手もよごれてしまいます。仕事中でもあまり音がせずこっそりと食べられる、そんな全く新しいおやつを作りたいなと考えました。
mono:開発期間はどれくらいでしょう?
内田:コンセプトワークから発売まで約1年。途中で実験販売をして軌道修正もしましたので、弊社では少し長めの開発期間といえます。
mono:軌道修正は主にどのあたりを?
内田:全く新しい商品なので、どんな商品かがよくわからないとご意見をいただきました。「もちもちチーズまる」といわれてもこれは何?と。そこで、販促では商品のパッケージも変え、中身の断面をしっかり入れたわかりやすい訴求を。あとは、もちもち食感については概ね共感いただけましたが、チーズが弱いという意見もあり、チーズ感を少し強くしたり。パッケージ、味の点での軌道修正を実施して全国発売に至りました。
mono:チーズは何をどんな状態で入れているのでしょう?
内田:使用したのはゴーダチーズ、チェダーチーズ、パルメザンの3種類。チーズのクセを強調するというよりは、比較的日本人の方に好まれるような味にブレンドしています。ゴーダとチェダーはペースト、パルメザンはそのまま入れて、そこにもちもちとした食感になるようにマッシュポテトや、数種類の食感の異なるでんぷんを使っています。時間が経っても固くならない独特のもちもち食感を実現しました。なので、主役はチーズというよりはもちもち食感でしょうか。
ローソン・商品コンセプト開発部
内田恵美さん
これまでにFF、サラダ、サンドイッチ、ワンハンドスナック、日用品、化粧品と幅広いカテゴリで商品開発を担当してきた、ローソンのモノづくりを知り尽くす大ベテラン。
もちもちチーズまる
価格216円(4個入り)、明太マヨ/燻製ベーコンの2種類https://www.lawson.co.jp/lab/tsuushin/art/1423126_4659.html