イタリア料理の講師を務めるマッテオ・インゼオさん。今回はキッチンを飛び出して、マッテオさんお気に入りのイタリアンレストラン「bis tris」へ! シェフの對馬幸憲さんと、イタリア料理について対談しました。
レストラン名である「bis(ビス)」は、イタリアの舞台などで使われるアンコールの掛け声のことで、更に2回目のアンコールには 「tris(トリス)」という言葉が使われるそう。
“何度訪れても新しい発見がある 、心地良い空間を味わってもらいたい”、そんな想いから名付けられたレストランです。料理は、コース料理で、四季折々の食材を楽しむことができます。
シェフの對馬幸憲さんは、南青山にある「リヴァ デリ エトゥルスキ」(現エトゥルスキ)にて、トスカーナ出身のイタリア人シェフ ヴィットリオ・コッキ氏、及びピエトロ・アンドロソーニ氏に、約18年間にわたり師事した料理人。
2016年に、自身のお店「bis tris」を、青山にオープンしました。このレストランの常連だという、マッテオさん。この日、對馬さんが作ってくれたお料理は、前菜の魚料理。春菊のソースや菊芋など、旬の食材を用いた、華やかな創作料理です。
「いつも季節の食材を使った、美味しいイタリアンが食べられるお店。この魚料理は美味しくて、見た目も華やか!」と、對馬さんの作った料理を、マッテオさんも絶賛します。
対談では、お二人の共通点でもあるイタリア料理について、作り手としてそれぞれの立場から、想いが語られました。
「僕は料理の原点は、イタリアの家庭料理にあると思っています。だからベースは一緒。ただ、レストランには、わざわざ時間を割いて、家ではなかなか食べられないものや準備が難しいものを、お客様が食べに来られているので、その期待を裏切らないようにしています」。
「幸せな時間をさらに盛り立てるようなものとして、なかなか日常的に作るには難しい手打ちパスタや、目にも鮮やかな食材の組み合わせなどを意識して、メニュー構成をしています」と話す對馬さん。
「僕は主に、イタリアの家庭で食べられている料理を作っています。家庭料理は感覚で作る部分もあるので、いつも同じ味にならないことこそ、醍醐味かもしれません」。
「僕の母の料理もそうですが、その日の流れや気分で味が変わり、作る度に料理がどんどん美味しくなっていく。そんな進化する味わいを、楽しめます!」と語るマッテオさん。
さらに、イタリアと日本の食材の多様性についても、話し合われました。
「イタリア料理の伝統としては、新鮮な食材を使いたいものです。イタリアでは、必ず『Mercato(メルカート)』と呼ばれる市場に行って、その日の新鮮な食材を仕入れてから、メニューを考えます」。
「実家の畑で野菜を栽培し、季節の野菜を必ず食べますし、母がキノコ狩りの免許を持っているので、山で狩ったキノコも食べます。つまり、どんな料理でも、新鮮な食材ありきなのです」と語るマッテオさん。
「文化は違いますが、僕自身は、イタリアと日本は共通点も多く、似たような環境だと感じています。だから、日本の食材を使ってイタリア料理を組み立てるのは、そこまで難しいことだと感じていません」と話す對馬さん。
「僕の場合、レモンの代わりに柚子を使ってみたり、豆をつかった料理には、大豆繋がりで味噌を使うこともあります。それぞれの国で育った異なる食材だとしても、料理に生かす可能性は無限に広がるので、固執せずに色々と試すことが、料理の楽しみであり、面白みだと感じています」とも語る。
「旬の食材を使うということは、誰かに喜んでもらいたいという、おもてなしの気持ちですよね。日本の“おもてなし文化”にも共通していると思います」とマッテオさんも、相槌を打つ。
楽しく食事をすることを特に大事にしている、イタリアのエッセンスを教えてもらいました。これからも、魅力的なイタリア料理が楽しみです!
対談の詳しい内容は、現在発売中の『モノ・マガジン3月16日号』、P88をチェックして下さい!
※毎月2日発売の「モノ・マガジン情報号」で、月イチ連載中!
「bis tris」
住所:東京都渋谷区渋谷2-3-7 新星ビル1F 電話:03-6712-5994
営業:LUNCH 11:30-13:30、DINNER 18:00-21:00 休日曜および月曜日
Matteo Inzeo(マッテオ・インゼオ)さん
1976年生まれ、ラツィオ州ラティーナ出身。ローマ大学日本語・日本文学科卒業。2003年より東京でイタリア語教師として活躍。2005年よりNHK TV、NHKラジオに出演。10月よりNHKラジオ「まいにちイタリア語(応用編)」に出演中。趣味は外国語学習、ファッション、読書、料理などで、空手初段、フィギュアスケート1級。
マッテオ・インゼオ
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ベリタリア イタリア語・文化教室
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