織本知之のデジカメ紳士録 フィルムシミュレーションを選ぶ楽しさ。新しく「REALA ACE」も加わりました。富士フイルムX-T50


この歳になると婚礼より葬祭のほうが多くなってきてさみしい……のですが、ついこのあいだ結婚式におよばれ。めでたい席でばしばし写真を撮ってきたのですが、みなさんスマホ撮影。コンデジが混在してたまに一眼ならまだいいんです。棲み分けできてると思います。でも私以外もうぜんぶスマホ。写真送って花嫁さんに言われたのが「写真の影の部分がとてもキレイで段違い……」そういうトコロだぞスマホ勢。でフジフイルムの新星「X-T50」の紹介です。

写真と文/織本知之

X-T50

フジフイルム/X-T50

こんなトコロに戀をする!

勝手の良さに恋しちゃう

無きゃないでどうにかなりますが、有ったほうがだんぜん便利な内蔵フラッシュ。動画撮影時にはキャッチライトとしても使用できます。収まりの良いしっかりしたペンタ部分からこんな具合にフラッシュが展開できるとは「説明書読まないと気が付かないでしょ!」っつう美しい収納精度でクラシックなデザインに悪影響を及ぼしません。美学。

こんな気配りに恋をする

そうそう! コレですよコレ! と見た瞬間に51歳がはしゃいだ機能がコチラ。頭に浮かぶイメージにぴったりの仕上がりを探る楽しさをもっと簡単に、カッコよく出来るようになりました。「REALA ACE」も加わってより一層、富士フイルムを選ぶ理由がここに出来ました。

ズームレンズに恋フォーカス

XF16-50㎜F2.8-4.8 R LM WR。換算24ミリスタートで中望遠76ミリ付近をカバーするF2.8 スタートの使いやすい標準ズーム域のレンズが40メガの高画素に対応するべく生まれ変わりました。これまでのラインナップにあったもっと広めでもう少し明るくちょっとコンパクトにという「あと少し」感をすべて汲み取りましてのリニューアル。

こんな寫眞に戀をする

【撮影DATA】
シャッター速度:1/480秒
絞り:f4.5
撮影感度:ISO320
フィルムシミュレーション:REALA ACE

久しぶりに訪れたリオの広場はサンバのリズムと熱気に包まれています! オーレ! とキャプションをいつか書いてみたいな。行ってみたいな南国ブラジル。ここは南国房総の町内祭りになぜか出現したサンバレディの迫力を約4020万画素のセンサーのX-T50とそれに対応する解像力の新ズームによる迫力の描写力をどうぞ。肌色原色極彩色バッチコイの最新世代の裏面照射型「X-Trans CMOS 5 HR」センサーとNEWなフィルムシミュレーション「REALA ACE」もイイ感じ!

【撮影DATA】
シャッター速度:1/300秒
絞り:f11
ISO:ISO160
フィルムシミュレーション:ノスタルジックネガ

コンパクトなサイズ感に上位機種に迫る機能を凝縮したボディ。ダイヤルを回すだけでカジュアルにチャレンジできるフィルムシミュレーション。精細なEVFや操作に対する素早いレスポンスなどスナップ撮影が楽しいX-T50にはやはりある程度のホンキレンズが必要かと。XF16-50㎜F2.8-4.8 はワイド感ある換算24ミリスタートなので迫力ある絵作りも可能。海辺に置かれているのか打ち捨てられたのか、海洋ブイらしき機器の細部や草の葉一枚一枚をシャープに描写しています。

X-T50で撮ってみた!

富士フイルムといえばAPS-Cフォーマットの高品質なXシリーズにするか、大画素高精細のラージフォーマットシリーズを選ぶかでわれわれカメラファンを迷わせる素敵なメーカーなのですが、この悩みのタネにもう一品加わりましたことをご報告いたします。

この度発売された X-T50 は X シリーズ中ミドルクラスの位置付けながら、上位機種と同じく裏面照射型4020万画素「X-Trans CMOS 5 HR」センサーを搭載しまして画質面では兄貴分のX-T5やフラッグシップX-H2に並び追いつくことになりました。

さすがにシャッターの反応速度やフォー カスのキレ、連写性能などは及びませんが、やもすれば肉薄。さらにこちらは軽量軽快。手練れが使うと油断のできない性能でございます。それもXシリーズ最新世代の画像センサーである裏面照射型の「X-Trans CMOS 5 HR」に組み合わせる画像処理エンジン、すなわち「X-Processor 5」を搭載した基本性能の高さ故。

これによって被写体検出AFも採用され、AIが画面内の動物、鳥や昆虫、車、バイク、飛行機やドローン、鉄道を検出フォーカス。実際に試すとこれがまたスゴイ精度、科学の進歩を眼で、肌で感じるはずです。

またラージフォーマット最新機種やX100Ⅵに採用されたフィルムシミュレーション「REALA ACE」をX-T50にも採用しました。Xシリーズのレンズ交換機種としては初の搭載です! シーンや光線条件に応じて様々な表現にチャレンジできる幅がますます広がったのです。

で、今回新しく設けられたボディ左肩部分のフィルムシミュレーションダイヤルがまた最高。20種類のフィルムシミュレーションを簡単に切り替えられるこのダイヤルで目の前に現れた光景に合わせて直感的に設定できるのは痛快。“映え”の一瞬に最適な表現力を選ぶことができるのです。

もう「ええと、フィルムシミュレーションてどこから?」なんて迷わせません。次はぜひ、プリ連写機能のON/Offとシャッター機能の電子式/機械式の切り替えを連動させてください!「え? 都度切り替えればいいじゃん(笑)」と鼻で笑ったアナタは人類の上位数パーセントの頭脳をもっていると思ってもらっていいです。

そう、X-T50には上位機種をまたまたビートしそうな20コマ/秒の高速連写とプリ撮影機能も搭載。これはX-H2と同等の速度でございます。さらにはボディ内手ブレ補正は5軸でシャッター速度にして約7段の強力な補正効果を発揮。最高クラスの手ブレ補正を手に入れたXシリーズ中堅機に組み合わせるレンズは、「Xシリーズ」第五世代の裏面照射型約4020万画素センサーに対応した高い解像性能と小型・軽量を両立したXFズームレンズ中最軽量となる「XF16-50㎜F2.8-4.8 R LM WR」(質量約240g)がおススメ!

35ミリ判換算で24ミリのワイドから換算76ミリ相当までをカバーする新たな標準ズームレンズ。高速で高精度なAFと24㎝という最短撮影距離。これはレンズ先端から最短15㎝まで被写体に近づいて撮影できるということです。 タフな防塵防滴構造で-10℃までの耐低温性能も備え、幅広いシーンをカバーします。

手に良くなじむX-T50を撫でながらの感想ですが、Xシリーズの中堅クラスがもつシャープで直線的なボディラインはカメラらしくて大好きでした。X-T50では両肩のラインが少しなだらかで穏やかな印象となりましたが、全体のイメージと伝統的なダイヤル操作などから親しみを覚えるデザインにまとまりこれはこれで良い! とうっとりと撫でています。

だいたいにおいておっさんはヘリテイジでクラッシックなモノが好物なのでこのデザインはドンピシャ。しかし、カメラ女子が身に着けていてもこれまたガーリーでキュートなのは間違い無しなのでX-T50は全ての善男善女におススメできると言って間違いないですね。

 どっとはらい。

※本企画の情報、コメントはすべて、機種発売当時のものです。ご了解ください。

  • フォトグラファー。1972年千葉県出身。1999年平凡社動物写真アニマ賞の最年少にして最後の受賞者、撮影テーマは「ニホンザル」。以降、カメラ誌、情報誌、タウン誌、ミリタリー誌など幅広く撮影・執筆。私鉄協会誌「みんてつ」表紙などを長年担当。monoマガジンではこれまで150機種300本を超えるデジタルカメラ、交換レンズをレポート中。甘党下戸。You Tubeの「サバ三ちゃんねる」@sabasan 鋭意更新中!

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