そろそろ実用的かも? AI×折りたたみで新しい体験を生み出す「Galaxy Z Fold6」「Galaxy Z Flip6」を使ってみた!

文/佐藤文彦


スマホといえば、iPhoneに想起される一枚板のようなデザインが一般的。ところがここ数年は、「折りたたみ」という新しいコンセプトを持つ製品が続々と登場しているのは、多くの人がご存知だろう。

そんな折りたたみスマホの世界を牽引するのが、サムスンのGalaxyシリーズだ。2024年7月には、6世代目となる「Galaxy Z Fold6」と「Galaxy Z Flip6」が発売されたことでも話題を集めている。

これまで折りたたみスマホを使ったことがない人にとっては、耐久性に不安があったり、折り目部分の触り心地が気になるだろう。また、折りたたみに適応したコンテンツがどこまであるのかも、注目のポイントだ。

今回は、そんなGalaxyの折りたたみスマホ最新モデルとなる2機種を実際に試しながら、その実用性に迫っていく。

「折りたたみスマホ」と一言で表現したが、大きく分けると、縦折り、横折りの2タイプが存在し、それぞれコンセプトは全く異なる。Galaxyでいえば、Galaxy Z Foldシリーズが横折り、Galaxy Z Flipシリーズが縦折りだ。

縦折りタイプのGalaxy Z Flip6の魅力は、一般的なスマホを縦半分に折ることで、Yシャツの胸ポケットなどにもすっぽりと収まるサイズになる点。折りたたむことで、厚みが気になるという人もいるかもしれないが、開いた状態で約6.9mmとかなり薄いデザインになっている。折りたたむと約14.9mmになるが、本体サイズを約半分にできるメリットのほうが強く、携帯性は抜群だ。

本体はポケットに収まるサイズ感。

Galaxy Z Flip6では、前モデルから、ディスプレイの折り目がより目立たないように改善されている。もちろん触れば凹みを感じるが、慣れれば全く気にならなくなるレベルだ。前モデルからの進化ポイントとしては、バッテリーが4000mAhに大容量化、メインカメラの画素数も50MPに上がっている。

折り目の改善でほぼ気にならないレベルに。

Galaxy Z Flip6で撮影(以下同)

一方、横折りタイプのGalaxy Z Fold6の魅力は、折りたたむと一般的なスマホ、開くとタブレットばりの大画面になるところ。ふたつのデバイスをひとつにまとめて持ち運べるといったイメージだろう。

スリムボディは握り心地◎

開けばタブレットサイズに

約7.6インチと、タブレットクラスのサイズを誇るメインディスプレイを搭載しているため、どうしても本体質量が課題となっていたシリーズだが、今年はこれを大幅に改善。本体質量は約239gとなった。Galaxy S24 Ultraが約233gであるように、もはや一般的なスマホとほぼ変わらない質量になっている。

これまで折りたたみスマホを使った経験がない人は、折り目部分の耐久性が気になるだろう。筆者は、昨年発売されたGalaxy Z Fliip5を約1年間使用してきたが、目立った問題は起きていないことは明言しておきたい。もちろん、乱暴に扱えば壊れることもあるだろうが、それは一般的なスマホと変わらないだろう。

ここまで、折りたたみスマホが、一般的なスマホに近い使い勝手にまで進化していることを紹介してきたが、重要なのは、「本当に折りたたむ意味があるのか」という点だろう。

今回登場する2モデルは、Galaxy S24シリーズより発表された「Galaxy AI」に対応している。通話時にリアルタイムで通訳ができたり、録音した音声を自動的に文字起こし、要約できる。もちろん、豊富な画像編集機能も、AIによって実現している。

リアルタイム通訳は、メインディスプレイとサブディスプレイの両方に表示し、対面で会話をするときにも使いやすくなった。Sペンが使えるGalaxy Z Fold6では、メモを手書きで取りながら録音することで、あとから音声とメモを同時にチェックできる。

また、写真からアバターの生成ができる「ポートレートスタジオ」、写真に絵を書いてリアルに合成する「AIスケッチ」といった新機能が、Galaxy Z Flip6、Galaxy Z Fold6のみで利用できる。

AIはチャットアプリで返信の提案もしてくれる。特にGalaxy Z Flip6のサブディスプレイは、キーボードを使って文字を入力するには小さめだが、自動的に返信を作ってくれれば、いちいち本体を開く必要がなくなる。

このように、折りたたみのデザインを活かしたり、折りたたみを使いやすくする新機能をAIで実現しているのが、Galaxy Zシリーズ最新モデルの大きな魅力だ。

取り扱いはサムスン公式オンラインショップに加え、ドコモ、auの2キャリア。端末代金の最安値は両モデルともにサムスン公式になるが、通信キャリア版は、お得に利用できる返却プログラムも用意されているので、ぜひチェックしてほしい。

サムスン Galaxy Z Fold6
サムスン Galaxy Z Flip6

  • ケータイ業界を中心に、ガジェットや通信技術に関する情報を幅広く取材する。現在は専門誌やモノ情報誌など、多数メディアで執筆。生活を豊かにする、ワクワクするガジェットを求め、日々邁進中。

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