やったぜ出荷1億台! 狙うぜ2億台! パナソニックのナノイーがものすごい勢いで暮らしに普及してるけど、そもそもナノイーって何の意~?


空気をきれいにしてくれるパナソニックの技術、といった具合にざくっと知られている「ナノイー」デバイスが、2003年の搭載製品発売以来、ついに出荷1億台を突破! そこで編集部では、ナノイーデバイスを製造するパナソニック彦根工場に出向きその最新情報と、「何の意」なんだナノイー? を調査した。

写真と文/モノ・マガジン編集部

ほら、あなたの家の家電製品にもきっとついている、ナノイー。ナノイーはパナソニックのいわば「掌中の珠」ともいうべき小さな傑作デバイスで、主な働きとしては、空気をきれいにすること、においを取り除くことが知られている。

そのナノイーが今年6月に、初搭載以来21年目にして出荷1億台を突破! 2030年には2億台を狙うという。ええっと、計算しますと、21年かかって1億台、2030年まで6年半で2億イケますか?

「年産台数を従来の最高1000万台から最高1500万台にパワーアップしております。その算数でソロバンを弾くと、2030年中に2億はいけると踏んでいます!」と、パナソニックでナノイー関連事業を指揮する南波嘉行事業部長。その推進エンジンは空気清浄機などの家電製品や、ドライヤーなどの美容家電のほか、公共施設にも広がり、特に今後は車載領域に注力していくことで「2億、いきますよ!」

さてナノイーと言われても一般的には「空気清浄機でしょ?」「ドライヤーのあれでしょ?」といったざっくりした認識だと思うので、ナノイーとは「何の意~?」という駄洒落は無視して、説明しよう。

ナノイーとはパナソニックが奥山喜久夫広島大学名誉教授と産学連携で開発した「水で包まれた微粒子イオン」のことで、ここに大量に含まれるOHラジカルが空気中の有害な物質を不活化(花粉や菌、ウィルス、ニオイ成分などの働きを抑制)する働きをもつ。水に包まれていることから一般的なイオンに比べナノイーの寿命は約6倍(約600秒)と長く、結果として広範囲に広がりやすい特長をもつ。

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じゃあ、そのOHラジカルはどうやってできるのでしょう?

発生にはまずナノイーデバイス先端のマッチ棒形状の端子を冷やす。ペルチェ方式といって、最近ではネッククーラーで使われる方式をもちいる。

冷やされることで空気中の水分が結露。ここに高電圧をかけることでナノサイズの微粒子水となって放出される。これがOHラジカルを大量に含むナノイーだ。

ちなみにナノイーデバイスには大別して2種類ある。空清用と美容用だ。ナノイー発生の仕組みは同じだが、スイッチONで素早くナノイーを発生するデバイスはドライヤーなど美容向けとして使われる。

だってそうですよね! ドライヤーの使用時間は短いから、すばやくナノイーが出てこないとお話になりません。空清機などは30秒~1分程度経ってからナノイーを発生しますが、このタイムラグは冷却端子が冷えて結露するまで要する時間です。

最近では電車やクルマなどの移動空間でも採用が爆増で、その好評に気をよくした(笑)パナソニックオートモーティブでは、ディーラーオプションとして車内灯一体型のナノイー空清機を開発。発売はこの秋で、まずはトヨタシエンタ用から始め、適合車種を増やす予定だという。気になるお値段は3万5000円程度(ディーラーにより異なる)と手に入れやすい価格となる見込みで、「買うぞ!」というオーナーも多いだろう。

またパナソニック美容家電のけん引役であるナノイー搭載ドライヤーだが、最新フラグシップ製品「ナノケア・アルティメイト」が9月上旬に登場する。デザインもスペックも個性と魅力マシマシのすごいやつだ。

★ナノケア・アルティメイト/EH-NC80 SPECIAL EDITION

今後ますます「空気質の時代」になるのは間違いがない。そんな時代における「地球空清デバイス」として、ニッポンの、パナソニックの、ナノイーには、ますます頑張ってもらいたいぞ、とモノ・マガジン編集部はエールをおくりたい! 

「いくぞ2億台!」

オマケに~ニオイの試験の様子です。焼肉のジューシーなニオイをTシャツにつけてナノイー空清機のある空間に入れると……あれ、ニオわない!

パナソニック

  • 元・モノ・マガジン&モノ・マガジンWEB編集長。 1970年生まれ。日本おもちゃ大賞審査員。バイク遍歴とかオーディオ遍歴とか書いてくと大変なことになるので割愛。昭和の団地好き。好きなバンドはイエローマジックオーケストラとグラスバレー。好きな映画は『1999年の夏休み』。WEB同様、モノ・マガジン編集部が日々更新しているFacebook記事も、シェア、いいね!をお願いします。@monomagazine1982 でみつけてね!

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