【モノ・マガジンTV】monoアーカイブス 第16回:絶対飛行服 バックペイントを施した美しいフライトジャケットの数々

空を自由に飛びたいという思いがタフで美しいフライトジャケットを生み出した。

USAF(United States Air Force)ミュージアムにはアメリカ空軍の前身である陸軍航空隊が活躍した時代から現代に至るまであらゆるコレクションが収蔵されている。中でも第2次大戦でパイロットやエアクルーがバックペイントを施したフライトジャケットの数々は圧倒的な存在感を放ち、ミュージアムを訪れる人々の目を捉えて離さない。

1929年に陸軍航空隊が採用したA-1をはじめ、機能性が向上しただけでなく非常にスマートな外観となったA-2。表がコットンツイル、内側にはアルパカの毛が用いられ、軽量ながら充分な保温性を持B-10。そして、MA-1の原型となるB-15ジャケットなど。

当時のピンナップガールの中でもっとも人気があったラナ ターナーにあやかりTempest Turner(嵐のターナー)と名付けられたB-17爆撃機のパイロットが着用したB-15ジャケット。19回の爆撃ミッションを示す爆弾の下に描かれている6個の袋はオランダでの食料投下ミッションを表し、PW(戦争捕虜)はフランス人捕虜をオーストリアから母国へ空輸したことを示している。B-10ジャケットの発展型であるB-15ジャケットはさらなる改良を加えられてMA-1の原型となる。

第403爆撃飛行隊はオーストラリアのマリーバを拠点とし、マリーバブッチャーズの愛称を持っていた。写真はアルロ ロス少佐のB-10ジャケットで彼らの愛機であったB-24爆撃機が美しく描かれている。

第18爆撃飛行隊のリチャード ベンソン軍曹はA-2に手を加えるだけでは飽き足らず、チノトラウザースにもミッションを行なった地名を記した。ネームタグの刻印がRICHARD BENSONではなくDICK BENSONとくだけた表記になっているのに注意。当時のA-2は返納、再支拾がくり返されてネームタグを付ける所が穴だらけになっている物も少なくない。

死線をくぐり抜けたフライトジャケットの輝きは何年経とうとも失われることはない。

コレクターならずとも必見のコレクションを動画でご堪能あれ!!

mono Archives[モノ アーカイブス]とは

アーカイブスは記録をため込んでおく場所。そのくらいに考えていたのだけれどそうではなかった。古くさいイメージがあったのだれど、それもちがっていた。高尚で、縁遠いなどと、いくつもの思い込みを片づけてモノ目線で見たアーカイブスはナイスだった。モノそのものがアーカイブスだとわかったからだ。これほど面白い入れ物はないというワケで、これより動画版 mono archives[モノ アーカイブス]始動!

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