こんにちは!東宝・ゴジラルームの清水俊文です。今月から、ゴジラルームが続々と開発している新商品や、発売されている中からイチ押し商品の紹介記事を連載させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします!
文/清水俊文
最初に私の自己紹介をさせていただこうと思います。
『怪獣総進撃』が公開された1968年生まれで、子供のころからのゴジラファンです。
1984年の復活『ゴジラ』の時に川北紘一監督が製作したメイキングビデオを見て、特撮映画の裏側の面白さを知り、映画の現場に行きたいと夢見るようになりました。
その後、1993年に東宝に入社し『モスラ』シリーズ(1996~98年)で製作係、『ゴジラ2000 ミレニアム』(99年)から『ゴジラ FINAL WARS』(04年)まで現場で助監督を担当しました。
現場を離れてからは「東京現像所」という東宝系のポストプロダクション会社にて1作目の『ゴジラ』(54年)や『キングコング対ゴジラ』(62年)をはじめ、ゴジラシリーズや東宝特撮映画、黒澤明監督作品を中心に「4Kデジタルリマスター版」の製作を担当していました。
昨年からは東宝本社の「ゴジラルーム」で日々ゴジラグッズの開発をしています!
ゴジラルームでは、自社開発ならではの強みを活かした、ゴジラファンの方が喜ぶような商品をはじめ、まだゴジラになじみのないライトなファンの方にも手に取ってもらえるようなグッズ作成に日々奮闘しています。
さて、記念すべき第1回でご紹介させていただくアイテムは、
『ゴジラVSメカゴジラ』(93年)より、「ゴジラ」「メカゴジラ」のプラモデルです!
本作は私が東宝に入社して、最初に撮影に参加した思い出深い作品でもあります。ちょっと当時の思い出話を書かせていただくと……
入社後にTOHOスタジオで2週間の研修があり、本編の製作助手として研修をさせていただきました。映画製作に関しては全くの素人でしたので、「本番」や「テスト」のランプの点灯、弁当の準備などお手伝い程度の仕事でしたが、この時本編班はGフォースの指令室や、メカゴジラドックの撮影をしていました。
メカゴジラドックでは、窓から見える部屋の奥を、白衣を着て歩く研究員としてエキストラにも参加していますので、もしよかったら映画を見てみてください!
ある日、特撮班で「すごいシーンを撮影するよ!」という情報を得まして、見に行きました。
オープンセットで、ゴジラが京都タワーを破壊するシーンでした。川北監督の「よーい!スタート!」に合わせてゴジラが進撃し、顔を上げて口を開くと口内が光り、同時に京都タワーが大爆発をしました。目の前の大爆発にビックリしたのを覚えています。出来上がった映像は熱線が合成されて、大迫力の映像となっていました。
撮影時に驚いたのは、ゴジラの動きが早かったことです。特撮の撮影は3倍~5倍で撮影するため、出来上がった映像はゆっくりとした重みのある画なのですが、実際の撮影時はすごく早く動いているのです。あの重いスーツをこんなスピードで動かせるなんて、薩摩剣八郎さんは凄い!と感動したのを覚えています……
さて、思い出話が長くなりましたが、今回の商品の紹介をさせていただきます。
リアルなゴジラの立体物をなるべく低価格で、様々な方に手に取ってもらいたい!という願いから、「プラモデル」というアイテムに行きつき、開発を決定しました。
第1弾としては、まずはゴジラのスタンダードなモデルということで平成VSシリーズから『ゴジラVSメカゴジラ』のゴジラをチョイスし、ライバルも同時に!ということでメカゴジラ(1993)と同時発売となりました。
本作のゴジラは撮影用スーツが新造されており、前作よりも尻尾の付け根の位置が高くなったため、足が長く、精悍に見えるのが特徴です。今回のプラモデルでも、その部分をしっかりと再現しています。
基本リアルモデルということで固定モデルとなっていますが、プラモデルならではということで口の開閉が可能で、尻尾は接続部が3か所回転可動させることができます。
メカゴジラは1974年のデザインからイメージを一新し、リベットなどがないスマートなデザインとなっており、そのスタイリングを崩さずにモデリングしています。
首、腕、手首、太もも、足首が回転可動、そして下アゴが開閉します。さらに目にはクリアパーツを使用していますので、塗装しなくてもイメージ通りのメカゴジラが組み立てられます!
プラモデルというと作るのが大変!と思うかもしれませんが、パーツ数も最小限となっており、スナップフィットで接着剤がなくても簡単に組み立てられます。出来上がると映画から飛び出したかのようなリアルな造形をお楽しみいただけます。
パッケージは、一見単体のデザインですが、箱絵をつなげると一枚の絵となるお遊びも入れこんでいます。ぜひ両方並べてみてください!
今回発売するにあたって、「TOHO MONSTERS KIT(TMK)」というシリーズ名を付けました。みなさまの応援次第では、続々と怪獣たちがモデル化されるかもしれません!
プラモデルは、パーツを見て楽しみ、組み立てて楽しみ、塗装して楽しめるという、何段階も楽しめるアイテムです。
ぜひ手に取っていただけると幸いです!
※画像はプラモデルに塗装をしたものです。
※本商品は未組立、未塗装の組立キットです。
【商品情報】
TOHO MONSTERS KIT 001 ゴジラ(1993)
サイズ:約14㎝
価格3850円(税込)
TOHO MONSTERS KIT 002 メカゴジラ(1993)
サイズ:約16㎝
価格3850円(税込)
先行発売:11月3日(日) ゴジラ・ストアおよびゴジラ・フェス関連会場にて発売開始
一般発売:11月30日(土) 取扱店舗にて発売開始
プロフィール
清水俊文(しみず・としふみ)
1968年生まれ。1993年に東宝に入社し『モスラ』シリーズ(1996~98年)で製作係、『ゴジラ2000 ミレニアム』(99年)から『ゴジラ FINAL WARS』(04年)で助監督。その後、「東京現像所」で1作目の『ゴジラ』(54年)や『キングコング対ゴジラ』(62年)など東宝特撮映画、黒澤明監督作品他「4Kデジタルリマスター版」の製作を担当。現在は東宝本社の「ゴジラルーム」でゴジラグッズの開発の日々。「ゴジラ(東宝特撮)チャンネル」のコンテンツ「#ゴジ活はじめました」では「ゴジラソムリエ」として出演中。
【次回予告!】
新連載爆誕!「ゴジラルーム清水のGG(ゴジラグッズ)タイムズ」は、毎月2日に更新します。次回は12月2日(月)アップ。清水さん入魂の最新ゴジラグッズがまたまた登場!どうぞお楽しみに!