コスパ最強のSUV マツダCX-8 XD Black Tone Edition

コスパ最強のSUV

 CX-8は国内マツダブランドのフラッグシップモデル。熱い戦いを繰り広げられるSUV市場に投入されたのは2017年だ。デビューから3年目の昨年12月に一部改良を受けその魅力に磨きをかけた。今回はその特別仕様車であるBlack Tone Edition(ブラックトーンエディション)に試乗。

コスパ最強のSUV

 乗ってどうなのよーの前に簡単にクルマの説明を。CX-8は冒頭でお伝えした通り国内販売されるマツダのフラッグシップカーになる。5m近い全長と1800mmを超える車幅などそのサイズも堂々としたモノ。そして多くのグレードで6人乗りか7人乗りを選択可能。エンジンは2.5リッターの直4、同じくそのターボモデル、そして2.2リッターのディーゼルターボの3種類。ガソリンエンジンはレギュラーガソリン対応というのはうれしい。
 また冒頭のデビュー3年目の2020年12月には商品改良を受けている。主な内容はディーゼルエンジンの最高出力を10PSアップの200PSに向上。加えてアクセルペダル操作力を最適化しドライバーの意思により敏感に反応するように。テールゲートには足を感知して開閉するハンズフリー機能付きのパワーゲートをブランド初採用。室内はスマホを置くだけで充電可能なワイヤレスチャージャーを設定などなど。インフォテイメントシステムは最新化されたマツダコネクトを操作するセンターディスプレイも8.8インチないし10.25インチへサイズアップした。また360度ビューモニターは全グレードで標準装備となった。
 話は野茂のフォークボールのように変わって(古くて恐縮)試乗車の話に。ブラックトーンエディションはドアミラーやホイールをブラックで統一し、インテリアに赤いアクセントを入れることでよりスポーティなイメージを強調したモデル。

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落ち着いた雰囲気の中にも若々しさを感じる仕上がりが第一印象。試乗車はディーゼルエンジン搭載の4WDモデルだった。走り出してすぐに感じられるのは乗り心地の良さだ。19インチサイズのホイールなのに。ミニバンなどにみられるデメリット、マッチ箱変形(いわゆるボディのねじれ)を受けにくいボディ形状のメリットもあると思う。その印象は2列目でも変わらず、3列シートのミニバンの「上席」とされる2列目よりもいい感じだ。特にロールしたときの頭のふられ方が(ベクトルの違うクルマで比較するのもなんだけれど)少ないのは車酔いしやすい人には嬉しいはず。そういえば某国産最高級セダンを導入することで話題になった議長のいる広島県の公用車はCX-8だ。静粛性もディーゼルモデルとしてはビックリするくらい静か。一定の回転数で走れる環境、例えば高速道路の80km/h巡航などは高級セダンに乗っているようだ。ちなみに搭載されるディーゼルターボのスペックは2.2リッターの排気量から200PS/4000rpm、450N•m/2000rpmとなっており、カタログ燃費は15.8km/L。

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 高速を降りて峠道に入るとそこは人馬一体の操縦性にこだわるマツダらしいステアリングフィールを持つCX-8の別の顔を見ることができる。Gベクタリングコントロール搭載でタイトコーナーが続く道でも運転しやすい。膝を叩いてコレは俊敏であるとまではいかないが、このボディサイズで3m近いホイールベースを持つクルマと考えたら想像以上に曲がってくれる。MTモード付きの6ATもシフトダウンが楽しい。このミッション、筆者の好みで恐縮だがMTでシフトアップをする時は決められた速度や回転に達するまで受け付けてくれず、早め早めのシフトアップは出来なかった。低回転のトルクがあるディーゼルなのにこの味付けは残念。
 普段の使用頻度はかなり低いと思われる3列目はエイヤっと気合いを入れなくても大人が普通に「使える」スペースになっているのもうれしい。普段から5人以上乗らなければ3列目を倒しておいた方が広大な荷室が出来る。

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この可倒式の2列目を使い、オプションのベッドクッションやウィンドシェードを使えば大人2人が寝るには十分なスペースができる。試乗車には後席用のロールスクリーンが装備されていた。

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車中泊が可能となれば、趣味のベース基地にもなる。オプションのサイドタープを使えば簡易オートキャンプもできるし、本格的な釣行のボートを牽引することもできる。

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 室内は試乗車の2列目キャプテンシートだったが、モデルやグレードでウォークスルーなしの6人乗りシートや7人乗りバージョンも選択可能。

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加えて3ゾーン対応オートエアコンも全モデルに装備される。
ショーファーからオーナーズカーとして使えるCX-8のお値段はなんと300万円を切る299万4200円からとなっている。この価格は深夜の通販番組なら間違いなく拍手が起こるはず。

CX-8 XD Black Tone Edition
価格399万9600円から
●全長×全幅×全高:4900×1840×1730(mm)●エンジン:2188cc直列4気筒DOHCターボ●最高出力200PS:4000/rpm●最大トルク:450N・m/2000rpm●燃費WLTCモード燃費:15.8km/L

マツダ https://www.mazda.co.jp/
問 マツダコールセンター 0120-386-919

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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