2024年12月14日現在、最新号は950号。昭和から平成を経て令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと50号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年(1982年ですよ、42年前です)に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。
ちなみに昭和57年10月の出来事はというと・・・、
◎世界初のCDプレーヤー「CDP-101」をソニーが発売
◎デロリアン・モーター・カンパニー(DMC)倒産
です。
※画像はクリックすると拡大表示されます。
ハイ、これが4号です。今回、表紙を飾るのは、ひとり乗りシティー・カーの「モニック」。この形状でどうしてひっくり返らないのか??? そのワケは、目次の解説で紹介します。
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ハイ、目次にある表紙のイラスト解説です。以下、長めの引用。「〝モニック〟(二輪車=バイシクル=バイクに対し、一輪車=モノシクル=モニック)と称されるこの種の車の基本構造は、全ての荷重を垂直方向に並べるメイン・ピラー方式をとり、搭乗状態で車体全高の下寄り30%付近の重心位置にスタビライザーが来る。(改行)スタビライザーはレーザー・ドップラー・ジャイロを使用し、揺動情報はオプティカル回線を通してシート下の制禦系に送られるが、制禦系のメイン・コンピューターは類人猿の小脳細胞の改良型誘導培養体で構成される有機的情報処理系で、非常に鋭敏なジャイロのリード・アウトを大ざっぱにアナログ処理し、人間の生理的感覚に極めて近似したスケールで制禦信号出力を得られる。そのため車体の揺動修正はかなりゆるやかなものとなり、搭乗者がスタビライザーにふり回されて酔うような事は決してない。(改行)ポリマー・セラミック系素材で作られた球形タイヤは、表面の半分以上を覆うスパッツの中にはめ込まれ、その裏側に13個、半埋め込み式に並んだ小型リニア・モーター回転子(3×4方向自由回転式)の回転摩擦によって駆動される。このため、タイヤはボールペンのボールのように、事実上全方位の低速〜高速回転が可能となり、モーターさえ動いていれば静止状態も保っていられる・・・」ってことだそうです。スゴイですね〜。
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表紙を開いてすぐの見開きは、前号(3号)がSUZUKIの2代目CERVOの広告だったんですが、今号は同じくSUZUKIのスクーター「ジェンマ125」! 今回もバックは赤です。流行ってたんでしょうか、当時は。で、左側の男性は、誰あろうジュリアーノ・ジェンマ(1938〜2013)です。1960年代中盤から70年代はじめにかけて、山ほど作られたマカロニ・ウエスタンに主演してて、当時日本でも大人気のトップスターでした。マカロニ・ウエスタンってなんだ?という方も多いでしょう。イタリア製の西部劇なんですよ、これが。
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そして、巻頭カラーで13ページを飾るのは「特集◆LSIゲーム 待ったなしのシビアな勝負 LSIゲームにただいま熱中! 集めに集めて132種!」。リード文を読んでるだけで時代を感じます。「とにかく面白いのである。やたら子供がさわいでいるけどこれほど楽しめちゃうとは思ってもみなかったノダ。なにしろ勝負は待ったなしのシビアな世界。反射神経が全ての息抜きモノから頭脳勝負の強者まで、ほんの小さなLSIに、大のオトナもキュッとひねられてしまうのである。これはもう子供にばかり独占させてはおけません。まずはとくと御覧あれ!」。で、並んでるゲームを見ると、デザインにレトロフューチャー感がありますね。ちなみに「たまごっち」発売されたのが1996年11月23日。この記事から14年もあとのことなんです。
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お次は、「新製品実感レポート/キヤノン(スナッピィ50)」。AFカメラで300グラムを割って、当時としては超軽量! しかも、自動巻き上げ、自動巻き戻しという、当時としては超豪華! M16ライフルの30連マガジン用ナイロン製パウチ(30連マガジンを3本収納できます)に入れて持ち歩くところなんか、編集部のミリタリー趣味が溢れんばかり。
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1色ページだけど21ページもあるこの当時のモノ・マガジンとしてはかなりボリューミーな「モノ・マガ探検隊、西武デパートを行く デパートはボクたちのWONDERLAND」も読むとおもしろいんだけど、今回は飛ばして「OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」です。目に留まったのは「マジック・ブリードで馬の出産に立ち会う」という小さな記事。馬の出産はその98%が夜から朝にかけてだそうで「馬にトランスミッターをしかけ、人間は寝室でひと休み。その時がきたらシグナルが出る」という装置です。こういうモノまで紹介してたんですね。さすがはすべてのモノを紹介するモノ・マガジンだ・・・と、感心してしまいます(自画自賛的な)。
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「WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」では、思い切り目を惹く巨大な受話器を手にした男性の写真。黒目が上を向いてるんですが、どんな通話をしてるんでしょうか? バカっぽくていいですねぇ。
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「時は、昭和37年7月、男の頭に異変が起こった。頭といっても頭の中身のことではない、髪の毛についてだ」という文章で始まる連載「超ロングセラー」では、ライオンの整髪料「バイタリスV7」を紹介してます。シーブリーズで知られるブリストルマイヤー社が昭和6年(1931年)に発売したものを、31年後にライオンが導入。いまだに販売され続けてます。導入してから62年、発売から93年、まさに超ロングセラーです。
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「モニター・レポート ポップギャル ギャルだけじゃない男の子だってポップ」という見出し周りだけ読んでいると、今となってはなんのことだかわかりません。実は創刊号で募集した、ヤマハ発動機の原動機付自転車「ポップギャル」のモニター・レポート。写真の女性がモニターさんなんです。でも、「ギャルだけじゃない男の子だってポップ」ってどういうこと思って、最後まで記事を読むと、モニターさんのこのバイクを「女の子だけで楽しんじゃ悪いみたい」という発言にかけてたワケです。
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最後は次号(5号)より短期集中連載開始の「大研究『マイコン』」の予告です。ここでいうマイコンは、マイクロコンピュータ。初代Macintoshの128K発売が1984年だから、それより少し前にはじまる連載ですね。「マイコンは電卓よりススンでいる」ではじまるあおりの文章に、ものすごく時代を感じてキュンキュンしますね。
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では、次回の昭和57年11月(5号)をお楽しみに!