「宇宙をとびミサイルを撃ち込む! 全身が武器の凄いゴジラが現れた!」。
誕生から50年のメカゴジラ。本誌も超期待の究極アクションフィギュアが遂に12月28日に、一般店頭販売商品としてリリース! 本誌の特写を含め、背筋ゾクゾクのカッコよさを満喫。最高峰のメカゴジラを手に入れる夢が現実に! 本誌「monoの大捜査線」での記事に、情報と画像を追加して、徹底的に魅力をお伝えします! メカゴジラの生みの親・井口昭彦デザイナーの蔵出しインタビューも掲載!
写真/鶴田智昭(WPP) 文/モノ・マガジン編集部
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本誌1-2,1-16合併号記事もチェックを!
最高峰の造形とギミック!ダイキャストの重量感!
(本誌1-2.16合併号テキストに一部加筆)
1974(昭和49)年、『ゴジラ対メカゴジラ』でデビューし、鮮烈なコピーとメカニックな姿、そして圧倒的な火力を操る悪の魅力に、昭和の子供たちが夢中になった初代メカゴジラ。翌年には『メカゴジラの逆襲』で大暴れし、その後も設定とデザインをリニューアルして再起動し、何度もゴジラを苦しめた。そして誕生から50年、「DX超合金魂 メカゴジラ 1974」がモノマガ編集部に到着!
造形もギミックも期待以上で、これぞ最高峰のMGと呼びたい。額から頭頂部のエッジが効いた凹凸、頬から鼻先へのライン、発光する目のモールド、悪の宇宙最強マシンのクールさを備えた造形にシビれる。劇中の宇宙金属「スペースチタニウム」イメージの緻密なカラーは眺めて飽きない美しさ。撮影用スーツをベースにしつつ、シャープな金属感がブーストされ、まさに本物を超えるリアルなロボット感なのだ。
二の腕のMGマーク、全身のリベットなど、昭和メカゴジラのアイデンティティといえるディテールも完璧。高さ約270㎜。ボディ前部と下半身を中心に、ダイキャスト素材が使用されてズッシリ重く、発光や効果音やBGMのギミックに「メカゴジラがやってキターーーッ!」と興奮が止まらない。
沖縄玉泉洞の基地をイメージしたディスプレイ用台座が付属するのも感動。頭部と尾部の交換パーツが付属して、飛行形態も再現できる。
販売開始は12月28日。一般店頭販売商品だ。魂ウェブでもチェックを!
刮目せよ!徹底的ギャラリー!
BANDAI SPIRITS
DX超合金魂 メカゴジラ 1974
価格3万9600円(税込)
マルチカラーLEDで両目が多色点灯し、頭部は360度回せるなどギミック満載。背びれが多彩なギミックを割り当てられた各種スイッチ。光線技を再現した発光や効果音がアツい。傑作BGM「メカゴジラ現わる」も聴けるぞ!
問BANDAI SPIRITS ☎0570-078-001
ニヒルな顔貌をパーフェクトに再現!
重量感満点のフォルムとカラー
歯は透明素材
二の腕にMGマーク
背びれが各種ギミックのスイッチ
クロスアタックビーム発光と効果音
スペースビームの効果音と共に目が多色発光!
首が回転!前後同時攻撃の再現も!
ボタン操作で腕がカチッと回転!!
カチッ!
パーツ交換で飛行形態に!
秘密基地イメージの台座!
ボックスデザインも超クール!
360度カッコいいメカゴジラを全面にレイアウトしたボックスデザインにも興奮。メタリックに輝くロゴも最高にクールだ!
決戦を再現!
「東宝大怪獣シリーズ」からゴジラ(1974)とキングシーサーも発売される。
名場面が蘇る!
蔵出しロングインタビュー!
昭和メカゴジラのデザイナー・井口昭彦
メカゴジラ50周年に語る
文/高柳豊(TARKUS)
【ゴジラ+ロボットではなくメカゴジラ】
――まずは井口さんがメカゴジラのデザインに携わられた経緯をお聞かせください。
井口●チーフ助監督だった川北紘一の口添えだった。当時の東宝社長だった田中友幸さんの部屋を仕事場として使わせてもらい、そこに何日も籠って鉛筆で描いては色を塗り、そうやって10枚くらい描いたんだよ。
――デザインのために社長室が使えたということは、それほど大きなプロジェクトだったのでしょうか?
井口●それもあるけど、秘密裏の企画だったんだよ。それで造形物も随分と遅れてしまい、ポスターのメカゴジラも絵を使うしかなかった。造形が遅れた事情は他にあったのかも知れないけど、絵で勝負したのは面白かったね(笑)。
――デザインする上で具体的なオーダーはありましたか?
井口●特には言われなかったよ。先方も余計なこと言っちゃいけないと思ったのかもね。ただ、あれこれ言われたら自分は辞めていたと思う(笑)。
――どのような発想でイメージを膨らませたのでしょう?
井口●台本を読みながらイメージしたんだよ。台本よりもデザインが先行する仕事は滅多にないからね。台本にあるト書きを読み砕きながら色々な発想をして、良い部分と悪い部分を取捨選択して修正をし続けた。ただ俺が提出したデザインも完成版ということではなく、造形の安丸(信行)さんが上手く修正して作ってくれたんだ。
――やはりゴジラ+ロボットという発想からのスタートだったのでしょうか?
井口●違う、ゴジラとロボットをくっ付けた訳じゃない。『ウルトラマンA』の超獣のように、2つのものを1つにするのとは次元が違う。
――ゴジラをロボットに置き換えた訳でもなく、メカゴジラという新怪獣をゼロから考えたということですか?
井口●そういうこと。もちろんメカゴジラという名前がある以上はゴジラに似せたけどね。
――スーツの「覗き穴」を目立たなくするため、首にシャッターを配置するアイデアには感心しました。
井口●中に入る人間の顔や肩の位置も考えてデザインするからね。でも股下は入る人間によって違うから、その辺はスーツにしたときに変わることもある。
――ご自身で気に入っている部分はありますか?
井口●ないよ。デザインしている間は不安だらけだったからね。安丸さんが請け負ってくれたから格好良く決まったんですよ。俺の力だけじゃ絶対に出来なかった。素晴らしい技師がいて初めて生まれたキャラクターなんです。
――特にこだわった部分はありますか?
井口●全身の色だね。本当は透明感のあるレインボーカラーにしたかったけど、あの頃の技術では出来ないと言われて諦めたけど。
――公開時のポスターでは「ゴジラより強いゴジラ」がアピールされていましたが、ゴジラよりも強い怪獣であることは意識されましたか?
井口●もちろん。ただ子供ウケとかは一切考えなかった。あくまで自分のため、メカゴジラのためしか考えてない。他のことを考えてもロクなことにならないから(笑)。
――デザイン画とは別に武器案を記した絵も描かれていますね。
井口●「こういうことも出来ます」というアピール用に描いた。全部の武器を自分で考えたけど、どこまで採用されたのかは覚えていない。
――これまで数多くの怪獣とメカを手掛けられていますが、怪獣とメカではどちらがお好きなのでしょう?
井口●どっちもどっちだよ。何でも引き受けないと仕事にならないからね。そういう意味でメカも怪獣も元は一緒。自分の力が及ぶか及ばないかの違いはあるけど。
――スーツ造型の現場は見学されましたか?
井口●現場の接遇は美術の青木(利郎)や小村(完)が担当していたし、自分が見に行くことはなかった。特に「見に行け」とも言われなかったし、野外でのお披露目にも呼ばれていない。ただ、当時は俺も忙しかったからからね。東宝や円谷以外の仕事もしていた頃なので。
――完成したスーツをご覧になったときの印象はいかがでした?
井口●初めて見たのは映像だったと思うけど、宇宙人のメカなのに肩に「MG」はないだろ!って思った。「地球に送るんだからそういうデザインにした」と言われて「そうですか」と納得したけどね。
――劇中での活躍はいかがでした?
井口●にせゴジラがメカゴジラに変わるシーンは良かった。あれは川北紘一ならではの良い映像だったと思うよ。あと首を後ろ向きにして戦うという発想は面白かったね。
【超合金魂メカゴジラとの対面】
元祖メカゴジラを生んだ井口昭彦氏(右)と、超合金魂 メカゴジラを生んだBANDAI SPIRITS コレクターズ事業部ロボット企画1チームの岡崎聖さん(左)が対面!
--それでは超合金魂 メカゴジラをご覧になった感想をお聞かせください。BANDAI SPIRITSの岡崎さん、お願いします。
井口●これは良いですね。特にどこがという事ではなく、すべてが気に入りました。音はどうやって出すんですか?
岡崎●背ビレがスイッチになっていて押すことで音声が出ます。このように背ビレを配置してくださったお蔭で、余計なスイッチを付けて外観を損なわずに済みました。音声と発光ギミックが背ビレを押すことで発動します。金属的な独特の鳴き声を鳴らしたり、目から放つスペースビームの虹色の光線はマルチカラーLEDの多色発光で表現しました。
井口●なるほど、もう後何年か経つと光線を出せるようになるかね。
岡崎●今はまだ難しいのですが、将来的には可視光線を出せるようになるかも知れませんね。あと音声スピーカーはスリット状のディテールがある首の中に配置しました。音声が出る玩具は音を聞かせるためにどうしても穴が必要で、スピーカー位置に悩まされるのですが、メカゴジラは最初からここに入れようと思ったんですよ。背ビレのスイッチを含めてデザインの巧妙さに助けられています。
井口●素晴らしい。胸のフタは開くの?
岡崎●真ん中の大きい背ビレを押すと胸のフタが開くのと連動して中のLEDが光ってクロスアタックビームの発射音が出ます。
井口●凄い。フォルムを含めて文句の言いようがない。これまで見てきたメカゴジラのオモチャの中でも一番の出来栄えだと思います。
岡崎●ありがとうございます。『ゴジラ対メカゴジラ』50周年記念にふさわしいものにすべく作りました。
【50周年を迎えて】
――そろそろ締めの言葉をいただきたいと思います。メカゴジラが日本のみならず世界中で人気なのはなぜだと思いますか?
井口●そんなの知らないよ。産み落とした後のことまでは考えないし、考えたところでチープな答えしか出ないと思う。ここまで立派に独り立ちした以上、もう俺のものではないからね。それよりも皆さんがどう扱ってくれるかが大事なんだよ。
――では50年経った今、あらためてメカゴジラと向き合われてどう思いますか?
井口●長生きしてるよね、デザイナーと同じように(笑)。今回このように50周年記念で取り上げてくれた皆さんには本当に感謝しています。
――井口さんにとってメカゴジラはどのような存在でしょう?
井口●そういうのはないよ。ただ、今まで描いた中では満足度の高いほうかな。注目のされ方も他の怪獣とは違うからね。
――「今の自分ならメカゴジラをこう描く」というイメージはありますか?
井口●ないし、それを言ったらデザイナーとしておしまいだと思っている。それは野暮な質問だよ(笑)。こうして皆さんが完成品を買って喜んでくれるなら、それで良いじゃない。
――本日はありがとうございました!
TM & ©️ TOHO CO., LTD.
≪プロフィール≫
いぐち・あきひこ 1943年6月29日長野県出身。1966年、『ウルトラマン』で円谷プロ特撮美術スタッフになり、1967年『マイティジャック』でデザイナーデビュー。以降、幾多の作品で特撮セットのプランニングおよび、人気キャラクターのデザインを手掛ける。