monoという名のタイムマシン 42年前(いや〜ん!)、昭和57年11月のモノ・マガジン(5号)

2024年12月25日現在、最新号は951号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと49号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。
ちなみに昭和57年11月の出来事はというと・・・、
◎ソ連のレオニード・ブレジネフ書記長が死去
です。

※画像はクリックすると拡大表示されます。

ハイ、これが5号です。今回、表紙を飾るのは、マイクロ有機素材ロボット〝GOKI-ブリッコ〟です。映画「マイノリティ・リポート」に登場する小さな蜘蛛のようなマシンを思い出しますね。そして、上の方に黒っぽい脚が見えてますね。イヤですね。

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ハイ、目次にある表紙のイラスト解説です。「ここに紹介する、マイクロ有機素材ロボット〝GOKI-ブリッコ〟は、恐らく今後ゴキブリどもの挑戦に対する、人類からの最終的回答となるだろう」とあるんで、勝手にゴキブリ退治してくれるロボットなんですね。こんなのいたら、喜ぶ人がたくさんいると思うんですが、このロボット自体を怖がる人もいるでしょうね。ネーミングもちょっとイヤですよね。とにかく、解説を引用しときます。「この〝GOKI-ブリッコ〟は体長32ミリ、重量4グラム前後で、大きさは通常のクロゴキブリと大差ないが、重さは50倍近くある。腹面は頭部から尾部まで、全体がポリマー・セラミックとタンパク質のサンドイッチ素材による7つのセグメント構造に分割されており、背面も同じ伸縮性をもつシールドで覆われているため、極めて柔軟性が高く、水平面から垂直面への直進登はんなどの動きは本物のゴキブリよりなめらかにこなす。(改行)3対の歩脚は各セグメントに基部を支持され、キチン/セラミックの骨格節間をフレキシブルな高分子タンパクで連結してある。脚を駆動するするのはメカニズムではなく、カエルの後足の筋肉細胞を強化・改良して培養した人工筋肉系で、4グラムの体重を支えたまま長い時間の全力疾走にたえ、固い表面の上では秒速350センチの快足を利して、家庭内に棲息するあらゆる種類のゴキブリを確実に捕捉することができる・・・」。まあ、スゴイんですけど、これを読んでて思ったのは、ゴキブリって軽いんだなぁ、ということでした。

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巻頭特集は、13ページのボリュームで「特集★ナイフ大全 男たちとナイフの歴史は、いつも同一線上にあった」です。シンプルな道具なんですが、こんなに細かく部分名称がついてるんですね(「STUDY・1 ナイフのベーシック知識」のページの右上)。ちなみに4年後の昭和61年(1986年)には、弊社より『ナイフマガジン』が創刊されます。

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続きまして、「NASAのSPINOFFが宇宙服をスキーウェアに変えた」。ゴアテックスを表素材に、そしてNASAが開発したSP27を中面素材に使用したスキーウェアの紹介記事です。SP27は「約20種類の金属に化学繊維をドッキングさせた新素材」とのこと。それにしても、大胆に宇宙飛行士を配したこのNASA推しのページ構成グッときます。

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この号の表紙を開いてすぐの広告は前号同様、スズキのジェンマ125だったんで省きましたが、中面のナショナル(現パナソニック ホールディングス)のテレビ「アルファデジタル」を紹介します。といいつつテレビにはまったく触れず、右に立っている男性に注目。ジュリーですよ、沢田研二ですよ。ほっそいですねぇ。スマートですねぇ。

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「OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で、気になったのは「テニスコート・マットは安全素材。電気にも化学薬品にも強い。」です。ポリエチレン製マットの紹介なんですが、文中に「このテニスコート用マットの発明者はフランスのテニスプレーヤー、ジャン・ベッカー氏だ。テニス選手であるのと同時に、化学者でもあって、テニスコートに欠かせない最適のマット素材を発明してしまった。テニスプレーヤーにはハンサムで女たらしが多いらしいが、ベッカー氏はそれに加えてさらに多額の発明料・パテント料があるに違いないから、さぞや魅力的な人に違いない。」とあって、ひょっとしたらこの原稿を書いたスタッフは、テニスの上手い色男に彼女を取られた経験があるのでは、と邪推してしまいました。

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なんだコレは! と思わず岡本太郎になってしまいそうなバイオリンの写真が目を惹く「WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」。「楽器博物館をみずしてパリをみたという勿れ」という記事ですね。ダリが作ったような妙なカタチをしてます。「作者、年代、音色不明の変形バイオリン」とのこと。

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「mono Super Goods」はスーパージェッターの流星号(なんて言われても、知らないでしょう。昭和40年(1965年)にやってたアニメなんで。画像検索してみてください)みたいなカタチの自動車が登場。その名は「エアロ135」。「全長約3.9m、全幅約1.5m、全高約1.5m、重量約360kg」の「通勤用小型経済車として開発された三輪車」です。なんでこんな宇宙船みたいなカタチをしているのかというと、「ホンダ・シビックに比べて6分の1の空気抵抗減を達成した空力デザイン」で、「1リットル当り31.5km(定速90km/h)という驚異的な燃費」を実現するためみたいです。

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最後は「読者大プレゼントクイズ 満タンツーリング ここまでいったよパリダカール」で締めくくります。パリダカールというのは、「ホンダXL250Rパリダカール仕様」のこと。このバイクを満タン状態にして東京・日本橋をスタートし、一路南へ。ガソリンの最後の一滴を使い果たすまで走り続け、どこまで行けるのかを4号でクイズとして出題。その回答編を4ページにわたって紹介してるんです。名古屋で一泊して、翌日岡山県でガス欠に。帰途は「オーシャン東九フェリーの小倉→東京」を使用。「全走行距離784km÷21ℓ=37.3km/ℓという結果が出た。(改行)今回は高速道路を使わずに走ったので信号・渋滞などの悪条件のため燃費もあまりのびなかったが、この数値以下ということは、まずないだろう。まあ、けっこうエンジンも回したしネ。(改行)さてあとは、東京に着くのをのんびりとまってるだけ。(改行)小生は、毎日早起きした分だけひたすら眠ることにする。(改行)それでは、おやすみなさい。」とのこと。おつかれさまでした!

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では、次回の昭和57年12月(6号)をお楽しみに!

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