アジア太平洋地域ディレクターに就任した、シャーロット・ディクソン氏。
1988年から1993年までマクラーレンにドライバーとして在籍し、3度のF1世界チャンピオンを獲得した伝説のレーシングドライバーであるアイルトン・セナが、今年没後30年を迎える。F1の輝かしい歴史を築いたといっても過言ではない、英雄セナの功績の背景には、史上最高のF1マシンを提供していた、先進的なスポーツカー「マクラーレン」の姿が存在する。こうした、60年以上にわたるマクラーレンのモータースポーツの成功は、今日ロードカーにおいても、インスピレーションを与え続けている。
現在も、アイルトン・セナは最高のレーシングドライバーとして人々の記憶に鮮明に残っている。
この度、初の女性ディレクターとして、アジア太平洋地域ディレクターに就任した、シャーロット・ディクソン氏を取材し、「勝利の美学」が宿るマクラーレンのクルマの魅力を聞いた。
新しいハイブリッド・スーパーカー 「McLaren Artura」 価格3300万円〜。
今最も注目されているのが、マクラーレンに初めて誕生した、量産型の新しいハイブリッド・スーパーカー「McLaren Artura」。レーシングカーとロードカーのエンジニアリングにおける、半世紀以上の専門性と経験の粋を集約した、次世代型のスーパーカーだ。
最大の特徴は、新しい「マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)」を採用し、軽量化を実現したことだ。V6ツイン ターボエンジンがその心臓部を担い、そこに電動化によるスロットルレスポンスの短縮、CO2 排出量の削減といった恩恵が上乗せされている。
手前はビビットなイエローカラーVolcano Yellowの「Artura」。奥はカラーTokyo Cyanが眩い「Artura Spider」。アーティスティックなカラーリングも人気の秘密だ。
その結果パワートレインは、合計で最高出力 680PS(671bhp)、最大トルク720Nm(530lb ft)、新型V6は、最高出力585PS(577bhp)でリッター200PSに迫り、最大トルク585Nm、最高出力95PSのEモーターが最大225Nmのトルクを瞬時に発生し、0-100km/h(0- 62mph)3.0 秒という猛烈な加速と、マクラーレンのスーパーカーで最もシャープなスロットルレスポンスを実現した。
進化したエアロダイナミクスは、ミニマルかつ美しいデザインを生み出し、新設計のリアサスペンションから先進のEディファレンシャルまで、あらゆる要素が、唯一無二のドライビング体験を、ドライバーにもたらしてくれる。
「Artura Spider」と共に、楽しそうに話すシャーロット・ディクソン氏。
「Arturaは、環境変化が急速に進む自動車産業において、EVの新時代を切り開く存在となる次世代のスーパーカーです。アジアマーケットにおける私たちの期待も高く、実際に触れることで、多くのユーザーにブランドの伝統や文化を実感していただいています」
マクラーレンのDNAを象徴する究極のマシン「McLaren Senna」。
「デザインやパフォーマンスなど、マクラーレンならではコアな魅力を、今後あらゆる方向へ展開していきたいと思っています。レーシングカーであることもまた強みのひとつで、アイルトン・セナのレガシーに敬意を表したスペシャルモデルも展開しています。マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)による、セナ・センプレ・カラーを採用した限定バージョンのMcLaren Sennaです」
「ブランドの情熱は、レーサーを通して生まれていくものです。幸いセナの家族とも交流があったことから、数ヶ月に及ぶ期間をかけて、MSOの熟練したデザイナーと塗装チームにより、セナ・センプレのカラーリングを施したMcLaren Sennaが完成しました。F1に関して言えば、今後若く有望な選手を育てていくことに力を入れていきたいと思っています」と語る、シャーロット・ディクソン氏。
「McLaren GTS」 価格2870万円〜。
「マクラーレンには、初のハイパフォーマンス・ハイブリッド・コンバーチブル・スーパーカー、Artura Spiderや、マクラーレンで最も軽量かつパワフルな量産スーパーカー750S、新型マクラーレンGTSなど、他にも様々なタイプのクルマがあり、日常的なドライブや長旅も快適に楽しむことができます」
「Artura Spider」価格3650万円〜。
「南仏でのグローバルテストドライバーの後、私も実際に山道をコンフォートモードで運転したのですが、山道の素敵な景色を眺めながら、リラックスして運転することができました。女性もアクティブに山道を走行できるので、あらゆる場所に出かけて走りを楽しんでもらいたいです」とも話してくれた、シャーロット・ディクソン氏。
マクラーレン・オートモーティブ 日本代表を務める正本嘉宏氏。
さらに、マクラーレン・オートモーティブ 日本代表を務める正本嘉宏氏も、Arturaの魅力を語ってくれた。
「マクラーレンの速さは、超軽量エンジニアリングに支えられています。ハイブリッド化する際も、E モーターとバッテリーパックなど、ハイブリッド・パワートレインの要素を付け加えながら、いかにしてマクラーレンの超軽量エンジニアリングの哲学を守るかが主な課題となりました」
「そこでボディに、シャシー・プラットフォームを取り入れ、カーボン・ファイバーとスーパーフォームド(成形)アルミニウムパネルを採用し、軽量化・低重心化を実現しました。その他、新しい軽量 8 速トランスミッション、e-Diff(電子制御ディファレンシャル)を搭載。新たに開発したV6エンジンは、120°のバンク角を備え、ターボチャージャーの配置を可能にし、パッケージングのアドバンテージを増やし、低重心にも貢献しています」
「ブランド・プロミスは“最高のドライビング・エンゲージメント”。ドライバーのイントラクションを大切にしています。新コンセプトのマルチリンクリア・サスペンション、改良された電動油圧式ステアリング、プロアクティブ・ダンピング・コントロールにより、俊敏性、安定性、運動性能を強化しています」と話す、正本 嘉宏氏。
「60年間勝ち続けてきたブランドだからこそ、ドライバーが運転しやすいクルマを作ることができたのです。環境性能はもちろんのこと、運転が好きな人が、走りの速さを楽しく実感できる見事にパワフルなモデルに仕上がっています」とも語る。
マクラーレンは、カーボンファイバーの技術を、最も早い段階から取り入れているブランドであり、2019年には、カーボン・ファイバーの新たな研究開発・生産を行う施設「マクラーレン・ コンポジット・テクノロジー・センター」も立ち上げ、レースの世界で磨いたプロの技術や知見をもとに、一般のモデルにもこうした技術を活用している。
速さを極限まで追求するマクラーレンの姿勢には、F1界の永遠の英雄アイルトン・セナの不屈の精神が今なお宿っているだろう。プロの世界で頂点を極めるその走りは、さらなる進化を続けている。 次世代のスーパーカーArturaは、CO2排出量ゼロ走行で、市街地移動が可能になるなど、EVの新時代を切り開く存在になっている。洗練されたマシンが遂行する至高のドライビング・パフォーマンスを体感してほしい。
マクラーレン
アジア太平洋地域ディレクター
Charlotte Dickson(シャーロット・ディクソン)氏
アジア太平洋地域初の女性ディレクターに就任。日本、オーストラリア、カンボジア、ニュージーランド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムを含むアジア太平洋地域(22のショールームを展開)すべての経営責任を担い、常に高性能なラグジュアリースーパーカーのパイオニアであるマクラーレンの認知度を高めている。
マクラーレン横浜
横浜市西区みなとみらい 6-2-13