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写真(人物)/油科康司(WPP) 文/モノ・マガジン編集部
吹いたら凄いんです
大人の楽器レッスンでも、一、二を争う人気なのがサックスだ。モノとしての存在感の高さはむろん、誰しも習ったリコーダーと運指が近いのも選ばれる秘密。レッスンを乗り越えライブで披露するのもいいけど、もっとカジュアルな管楽器があってもいい……そうして生まれたのがヤマハのヴェノーヴァだ。「どこにでも持ち出して気軽に楽しめる。そんなアウトドアギアのようなまったく新しい管楽器です」とはヴェノーヴァ担当の小野さん。そのコンセプトは①ABS樹脂製ボディで軽量&タフ ②屋外でも気にせず吹けて水洗いもOK ③スリムなのにサックスのような音と演奏を実現、という特長にあらわれた。③については下の解説を参照してほしい。編集部は早速、ヴェノーヴァを手にアウトドア好き一家を訪ねた。ピンポ〜ン! そこは〝日本一アウトドアな酒屋〞を目指す東京昭島駅前・長塚酒店のご主人、長塚信一さんのご自宅である。本誌おなじみのBESSの家であることからもアウトドア好きがうかがえよう。
聞けば長塚さんは楽器経験ゼロ、お嬢さんのみなみちゃん(大学2年)はブラバン出身という対照的なペアである。さくっと説明してヴェノーヴァ体験。ブラバンで吹いていた金管楽器のマウスピースとはだいぶ勝手が異なるようで、しばらく「スー、スー」と風切り音のみのみなみちゃん。逆に長塚さんはブワッと一息で音出しに成功。父の威厳(?)を示した格好だ。しかし10分もするとみなみちゃんも音出しに成功、フィーリングをつかんだようで間もなくなじみのメロディを奏でるほどに。
カヤックやキャンプ、BBQ好きの長塚さんが「小さいのに音は大きいから、アウトドアで吹いてもいいね」と話すと「でも1曲くらいちゃんとマスターしてからじゃないと(笑)」と、ヴェノーヴァ父娘の熱血対話。「コツがいるから逆に燃える」(長塚さん)というのはその通りで、音を出せた瞬間の喜び、簡単なメロディが吹けた達成感、そしてこれはまだだけど、アウトドアシーンで披露する際の緊張感は何物にも代えがたい。ヤマハがカジュアルな管楽器をテーマに生み出した「ヴェノーヴァ」はきっと、人と人とをつなぐ「環楽器」なんだな。
1 丈夫で軽い!
ABS樹脂製ゆえ軽くて耐久性も高い。通常の管楽器だと遠慮したい海辺などへもガンガン持ち出せる。汚れたら水洗いをしてしっかり乾燥!
2 演奏が楽しい!
多くの人が小学校で体験しているリコーダーと基本的な運指は同一。サックス同等のリードを用いることで吹きごたえもあるのだ。
3 音色がツヤやか!
このスリムボディで豊かなサックス音を生む秘密は「分岐管構造」と「蛇行形状」にあり。ヴェノーヴァはヤマハの音響理論の塊なのだ。
■ DATA ■
カジュアルに吹こう! ヤマハ/ヴェノーヴァ
音域:2オクターブ
調子:C
サイズ:全長460×幅90×高さ55mm
質量:180g
付属品:マウスピース、リード、リガチャー、ケースほか
価格:オープン(実勢1万800円前後)
■お問い合わせ
ヤマハミュージックジャパン
お客様コミュニケーションセンター 管弦打楽器ご相談窓口
☎0570-013-808
ヴェノーヴァ公式サイト https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/winds/casual_wind_instruments/venova/index.html