2024年12月30日現在、最新号は951号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと49号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。
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ハイ、これが6号です。今回、表紙を飾るのは、都市災害用サバイバル・キットです。いつもはキャッチーな品名がついてるんですが、今回はありませんね。
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ハイ、目次にある表紙のイラスト解説です。「このキットは、全長195ミリ、重量が約90グラム、長径最大32ミリの曲面構成の楕円柱型をしており、普段はファンシー・デザインのボールペンとしてスーツの内ポケットやハンドバッグの中に入れておける。(改行)電力供給が断たれた状態でキットを使用する場合、まず尾端のキャップをはずして内部の透明なチューブをいっぱいに引き出し、強くもむと、内部に薬液を分離・収納していたカプセルがつぶれ、チューブ全体も膨張して、全長4センチ、10ワット相当の化学発光が始まる。この光は約5時間持続し、この間同時に、チューブから発生する数ボルトの電位を利用して短波による救難インパルスが定期的に発振される。(改行)これとは別に、きっと中央部には有機素材による小型の常温超伝導コイルが収められ、キット外部の所定位置えお石などで強く叩くと、内蔵された圧電素子により、コイルが強力な指向性の磁界を作り、地下数10メートルの深さからでも明瞭に地表まで届く磁気救難信号が送れる」そうで、他に「刃渡り40ミリのセラミック製ナイフ」、「穴を大きく拡げたり、太い柱などを切断する時」に使用する「ワイヤー・カッター」、「キットの外被中央部には、一枚のポリマー・シールを巻いた構造になっており、火災時にはこのシールをむいて拡げると、ちょうど頭にすっぽり被れるくらいの極く薄いガス交換膜のマスクとなる」などの機能があるそうです。
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さて、表紙を開いてすぐの広告は、マツダ・コスモの3代目。フェンダーミラーです。ハードトップの4灯式リトラクタブル・ヘッドライトがいいですね。「世界初、全域全速ターボ。コスモに搭載。」「低速から高速まで、全回転域にドラマチックなターボ効果を発揮。ロータリーとターボのドッキング。それは真のターボ誕生の瞬間だった。」と煽ってます。
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巻頭特集は、12ページのボリュームで「特集★香港面白モノ大図鑑 香港monoを買う」。香港もこの当時と比べればかなり様変わりしてるのは間違い無いんですが、なかなかマニアックなところに目をつけていて、今読んでも楽しいです。この特集の最後に縦3分の1の広告がありまして、『マイ香港』という本を弊社から出しますよということでした。その紹介文の冒頭が、「『モノ』の香港特集なんて目じゃない!! このスペシャル本は驚異と恐怖の連続となる・・・」ですって。気になりますね。
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続きまして「新製品実感レポート/京セラ(ソーラー・チャージャー)」です。見出しは「乾電池不要! エネルギー無限! 省エネ時代の〝SOLAR〟」。今となっては、なんと大袈裟なという感じがするでしょうが、走り中の走りだったんでしょう。リードは「ソーラーエネルギーの実用化なんてまだまだ先の話と思っていたら、突然、京セラ株式会社からソーラー・チャージャーが発売された。新エネルギー時代の幕開けだ。」となってますから。
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「黒電話だけが能じゃない 知的情報生活を演出するオモシロ電話活用のススメ」はホントに時代だなぁ〜。「黒電話って何?」って感じの人も大勢いるでしょうが、ページを開くとなんだかよくわからないカタチをした電話機がわんさか出てきて楽し〜。スマホのスマートっぷりが物足りなくなってきませんか?
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「OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で気になったのは「オットセイが教えてくれた強力フリッパー」。考案者のボブ・エヴァンス氏曰く「ある日、仲良くなったオットセイに聞いてみた。すると彼はシッポを指して、〈ほらね、あっしらのフィンはこういうふうに切れ込みがあるでしょう。それに、全体の肉のつきぐあいね。これが決め手でさあ〉と笑って答えた。もう1尾の知り合いのブルーフィっフュは、〈そうねえ、まねをしなよとは言わないけれど、人間の使ってるあの足ヒレじゃあ、エネルギー効率が悪いだろうねえ。自慢じゃあないがあっしら、これでメシ食ってんですから持ち物がちがいますよ〉と憤然としていった」。って、そんなワケないだろ!
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「WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」にもソーラーネタが。「米大陸横断に挑戦のソーラー・カー」。「3,400コの太陽電池で1日160km、最高時速90km」。全長18ft(5.4864m)、全幅6ft(1.8288m)もあるのにひとり乗り。ボンネットがもう大変!
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「超ロングセラー」で扱っているのは、昭和42年に発売が開始された「マブチ水中モーターS-1」。「おおっ!」と確実に涙がちょちょぎれる世代がいるワケです。現在はタミヤの「楽しい工作シリーズ」で復刻されてます。
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多岐川裕美さん、美し〜。こんな眼差しで言われたら、確かに火をつけたくなっちゃいます。と、100円ライター「ベスタ」の広告に気を取られつつ、「SEIKOダイバーは、サバイバルウォッチである」に目を通します。「プールで自慢するのが、唯一の楽しみだった〝防水時計〟が、いつのまにやら、〝サバイバル〟サバイバルダイバーズウォッチにまでなっている。時計づくりの〝技術〟は、〝時〟のスピードをはるかに超えている」というリードでスタート。1965年から1982年までのセイコーダイバーのヒストリーをしっかりたどってます。
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口臭がひどくてひっぱたかれる男性・・・というあんまりな演出が目を惹く「たかが歯ブラシなんぞにこだわってみようか」。キャプションは「なんのへんてつもない歯ブラシ。ところがこの中には実に多くの科学技術、人間工学が結集されているのだ」。42年前でさえそうだったんだから、今の歯ブラシにはどれだけの科学技術と人間工学が詰まっているのかと、ついつい考えてしまいます。
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締めは「この興奮は子供だけのものじゃないぞ! 大人も楽しめるテクノホビー〝ムービット〟」ですよ。このスケルトンがたんまんないですね。今でも大人も楽しめると思います、ハイ!
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では、次回の昭和58年1月(7号)をお楽しみに!