第6回 新行市佳のイチから特撮! ウルトラマンとプロレス

ニッポン放送アナウンサーで、放送業界一とも言われる超・特撮ファン、新行市佳さんが書き下ろし連載でモノ・マガジンWebに降臨!

テーマはもちろん「特撮」。イチバン好きな特撮をイチから十まで語ります。

第6回は、プロレス目線で見る特撮の魅力‼

先日1月4日、5日に東京ドームで開催された新日本プロレスの「WRESTLE KINGDOM 19」、「WRESTLE DYNASTY 」の観戦に行きました!

若手のホープ、海野翔太が雪崩式デスライダーでザック・セイバーJrに大きなダメージを与える。「WRESLTE KINGDOM 19」Ⓒ新日本プロレス

フィニッシュの引き金となったゴッチ式パイルドライバー。試合はザック・セイバーJrが海野翔太に格の違いを見せ付ける結果となった。「WRESLTE KINGDOM 19」Ⓒ新日本プロレス

空中戦を得意とするリコシェに雪崩式のザックドライバーを見舞うザック・セイバーJr。ザックは1・4、1・5の2試合ともに勝利した。「WRESTLE DYNASTY」Ⓒ新日本プロレス

ド派手な演出、選手の身体と身体がぶつかる音、大歓声が響き渡る東京ドーム…アツい試合に感動しましたし、試合後、感情が溢れる選手の姿から私まで悔しい気持ちになりました。

エネルギーに満ちた東京ドームで沢山のパワーをチャージして、今年も一日一日を大切に一生懸命生きようと思いました。

さて今回、取り上げるテーマは、「ウルトラマンとプロレス」ですが、ウルトラマンの戦いで繰り広げられるプロレス技のダイナミックかつキレのあるアクションの数々は、フィニッシュ前の攻防をより一層盛り上げます。

例を挙げようとすると沢山あって悩みますが…パッと思い浮かぶのは、ウルトラマンがベムラーにジャイアントスイングをしたシーンやエースがスノーギランにヘッドシザースホイップをする場面でしょうか。

ちなみに、この連載の第3回でお伝えした、初代ウルトラマンのスーツアクターを務められた古谷敏さんと造形師の木下隆志さんとの対談動画『ウルトラマンの魂「演技と造形の視点から」』の中で古谷さんに伺ったのですが、そもそもスペシウム光線のポーズは力道山の空手チョップから着想を得たそうです。

『ウルトラファイト』も忘れてはならないですね。

ウルトラファイト!のタイトルコールと真っ赤に燃える画面に血が騒ぐ!

1970年9月28日から1971年9月24日までの間、月曜日~金曜日の帯番組として放送された『ウルトラファイト』

『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』の本編から戦闘シーンを抽出した「抜き焼き編」とウルトラセブンやイカルス、エレキングなどの人気怪獣が死闘を繰り広げる「新撮影編」の2種類があり、山田二郎アナウンサーがプロレス風に実況するという、味わい深い番組です。

「新撮影編」は、造成地や海岸などでロケをしていて、崖から転がり落ちるほどの激闘なので、怪獣やセブンが泥だらけになっています。

『ウルトラファイト』より、テレスドンと向き合うウルトラセブン。『ウルトラマン』の地底怪獣テレスドンはスーツが型崩れしている。『帰ってきたウルトラマン』にはデットンとして登場したのはファンには有名。

エレキングがアギラに逆エビ固めをしたり、ウーがシーボーズにフライングボディプレスを繰り出したりと、怪獣たちがプロレス技を披露しているのも観ていてワクワクしますし、セブンがテレスドンにサミング(指で相手の目を突く反則技)をするなど、ヒーローなのにダーティーなファイトをしているかと思いきや、キーラーと三度笠を巡る争奪戦を繰り広げるというコミカルな部分もあります。

ファイトのきっかけも「トレーニングをしている姿を笑われたから」とか、「寝ていたところを起こされたから」とか…どこか微笑ましく、和やかな雰囲気が好きです。

最近の作品ですと、『ウルトラマンZ』(2020年)の「ウルトラマンゼット ベータスマッシュ」のパワフルで重厚な戦いが印象に残っています。

中でも心を打たれたのは、第11話「守るべきもの」の中で、ゼットがレッドキングの尻尾をつかんでドラゴンスクリューをかけたシーンです。

相手の脚を取って素早く回転させて捻る…という技ですが、まさかレッドキングの尻尾を掴んでドラゴンスクリューとは!(※ドラゴンスクリューかは異論がありそうですが、私の見立てで断定します!)

出た! ウルトラマンゼットの大技!

予想だにしない展開に、思わずテレビに向かって叫んでしまいました。

レッドキングが回転しながら受けるシーンもお見事で、「格好良くて美しい」という点で、スペシウム光線に通ずるものを感じた瞬間でした。

振り返れば、私が大学生の時に仲良くなった同じゼミの友人が新日本プロレスの大ファンで、「市佳ちゃん! 特撮が好きなら絶対プロレスを好きになると思うよ!」と声をかけてくれたのですが、なかなか一歩を踏み出せなかったんですよね。

そんな中、ニッポン放送の『マッスル RADIO』(2019年)という筋肉や健康についてお伝えする番組で天山広吉さんとご一緒させて頂き、その後に新春番組『高橋ヒロムRadio2020~初夢魅せてやんよスペシャル~』(2020年)で高橋ヒロムさん、ポッドキャスト番組『クリープハイプ尾崎世界観の野球100%』で内藤哲也さんとお仕事をさせて頂く機会に恵まれました。

そこで、「試合を観てみよう!」と、まずは大会のライブ配信や過去の試合がチェックできる「新日本プロレスワールド(NJPW WORLD)」で過去の試合を観たり、友人や社内の詳しい人にユニットの変遷などを教えてもらったりしました。

試合そのものの迫力はもちろん、ユニットの絆、ライバル関係、裏切り、因縁、成長などのストーリー性、選手の個性を象徴するファイトスタイルやコスチューム…友人が言っていた「特撮が好きなら絶対プロレスを好きになると思うよ!」の意味を、ようやくここで理解できたのです。

プロレスを観るようになってから日はまだ浅いですが、私の中で点と点が繋がり、相乗効果でどちらもさらに楽しめるようになった気がしています。

「新行市佳のイチから特撮!」の読者のあなたも、ベストバウトを探してみませんか。

Profile
新行市佳 (しんぎょう・いちか)

ニッポン放送アナウンサー。
1992年東京都生まれ秋田県育ち。 2015年ニッポン放送に入社。
現在は朝のニュース番組『飯田浩司のOK!Cozy up!』(月~金・6時~8時)と『藤井貴彦 Saturday Night Buzz』(土・19時~21時)でアシスタントを担当。
大の特撮好きであり、ニッポン放送と「ゴジラ」とのコラボ番組『ゴジラ|ニッポン放送70周年特別番組 幻のラジオドラマ復活!新春ゴジラ談義』や『山崎貴のオールナイトニッポンGOLD~ゴジラ|ニッポン放送70周年スペシャル~』でアシスタントを務めた。

ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!
月曜日~金曜日の6時から8時まで生放送! ニッポンと世界の今が分かる朝のニュース番組。パーソナリティは飯田浩司アナウンサー。アシスタントは新行市佳アナウンサー。radiko、ポッドキャストでも聴ける。

ニッポン放送『藤井貴彦 Saturday Night Buzz
好きな男性アナウンサーランキングで1位を獲得し、2024年春にフリーとなった藤井貴彦氏の初ラジオ番組! 毎週土曜日7時から9時放送中。街の情報やリスナーのお便り、自身のエピソードなどをもとに話すトークバラエティ。パートナーは新行市佳アナウンサー。

試合スケジュール! 選手プロフィール! 闘魂ショップ! チケット情報!
新日本プロレスリング公式サイト


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『ウルトラファイト』は全196話を公開中‼

TSUBURAYA IMAGINATIONは円谷プロダクションの作品や世界観を楽しむためのデジタルプラットフォームだ。ウルトラマンシリーズをはじめとした映像作品に加え、オリジナル作品やコミックス・小説などさまざまなコンテンツを楽しめるのだ。

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【次回予告】

「新行市佳のイチから特撮!」第7回は1月31日公開!(通常2日と16日の月2回アップ)。特撮愛が溢れて止まらない、アツい連載を見逃すな‼

【急告! スクープアップ!】

『モノ・マガジン』2-16号(1月31日発売)はラジオ放送100年特集!『飯田浩司のOK!Cozy up』スタジオ密着レポート掲載!お楽しみに!

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