monoという名のタイムマシン 43年前に創刊、昭和58年2月のモノ・マガジン(8号)

2025年1月21日現在、最新号は952号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと48号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。
ちなみに昭和58年2月の出来事はというと・・・、
◎ハワイアン・オープンで青木功が日本人初、アメリカPGAツアー優勝
です。

※画像はクリックすると拡大表示されます。

ハイ、これが8号の表紙です。イラストは全部中で紹介しているモノ。で、この号はこのあとのモノ・マガジンにとって、非常に大切な号なんです。実を言いますと、7号までのモノ・マガジンはあんまり売れてなかったんですよ。あんまりと言うか、全然と言うか。売れなくて、売れなくて、偉い人たちが集まって続けるのか、もうやめるのか、なんていう会議をしてたほどなんです。それがこの号でどかーんとヒットしたもんですから、今のモノ・マガジンがあるんですね。1000号を目指してるワケなんですよ。よかったなぁ。

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表紙を開いてすぐの広告は、ソニーのマルチレコーディング・カセットデッキ「MU-D11」。キャッチコピーは「僕はひとりでバンドを組む。」。そして、右の長文は「君の音楽の力が、今、数倍にも高められる。聴かせられることにあきた人々よ。始めないか。」で〆。味わい深いコピーですねぇ。

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その次の見開きも立川ブラインド工業の「タチカワ シルキーカーテン」の広告です。キャッチコピーは「カーテンがあれば、家になる。」。写真を見るとこの家、カーテンがありませんね。とんがった感じのお兄さんが、窓から家の中の女性をいやらしい目つきでじっと見てますね。女性は睨み返してます。早くカーテン付けろってことですね。カーテンの広告なのに、カーテンの写真が写ってない。広告がアートし始めてます。

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そして目次です。わちゃわちゃと楽しそうですね。

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で、初っ端は前号と同じ「LINE・・UP」。21ページで16アイテムを紹介してます。そのラインナップは、「冬だから気になるダウンウェア・チューンナップ術」「世界中のテレビが見られる衛星放送受信アンテナ!」「NASAのスペースシャトル用宇宙服が手に入るぞ」「やっぱりアメリカのパロディは超一流。脱帽ものだネ」「100円玉1つでこんなに面白いものが手に入るのだ」「科学万能の時代だから本物の男の道具を集めてみた」「大空へのあこがれ。ジェットパイロット用ヘルメット」「心は早くも1984年のLAオリンピックアイテムたち」「ファッショナブルでインテリア感覚の平面スピーカ」「あのフェアレディZ2000に待望のターボ搭載車登場」「世界でも珍しい遭難救助信号入り〝シグナルナイフ〟」「面倒な小物整理にオランダ生まれのローリーキャット」「ソニーが作るとマイコンもグッと身近になってくる」「いま薬屋さんにトラが出た! あの萬金油が日本上陸」「ターンテーブルシートもついにセラミックになった」「ウール100%の本格的軍用セーター〝ウーリーブーリー〟」。

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「OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で、ついつい目がいってしまうのが「注入口の付いた母乳搾乳器。」という記事。「この搾乳器は容量が20mlで、プラスチックの注入口が上向きに取り付けられ、入院中の女性の母乳を着衣を汚さずに容器に回収してミルク・バンクに寄付したり、あるいは、幼児に授乳できる。(改行)工場からの出荷時に、ガンマ線を照射して殺菌されているほか空気孔もないので、細菌が繁殖せず衛生的で、ブラジャーに挿入して乳首にあてがうだけで簡単に使用できる。回収した母乳は、煮沸もしくは次亜塩素酸塩の溶液等で滅菌する。(改行)着衣の下に装着したままでも目立たず、抵抗感もない。入院女性の間では、乳首が着衣でこすれて瀾れることもなく、乳当てを頻繁に交換する必要がないと好評。」とのこと。それにしても、本当にいろんなモノを紹介してるんだなぁ、モノ・マガジンという雑誌は。

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「WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」では、「誰がために胸毛は震える・・・・・・・・・」をチェック。ロンドンの有名デパート〝ハロッズ〟のメンズウェアコーナーに置かれた男性マネキンに、ディスプレー担当者が「ご婦人方のお好きな胸毛を与えた」そうで、それが老若レディーの間ですこぶる評判に。「マネキンの胸毛を撫でながら通り過ぎる女性客が増えた」のだけれど、販売主任は「マネキンが着ているウエアに目をとめていただきたいものです」と少々おかんむり・・・。変な話ですねぇ。

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「超ロングセラー」は明治製菓(現明治)の「マーブルチョコレート」。発売は昭和36年(1961年)ですって。「昭和38年の年間売り上げは、単品で実に58億円という、チョコレート業界はもちろん、大衆商品においても、まれな記録となった」そうですよ。スゴイですねぇ。ところで、マーブルチョコレートは発売当初から7色。当初はもっとカラフルな7色だったんだけれど、誌面の写真を見ると暖色系で落ち着いた感じ。これは「昭和50年前後の食品色素問題により、人工着色料から、天然のものに変更になったため」なんです。そういう技術も進んで、今では鮮やかな7色に戻ってます。

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続きまして「783お正月ゲーム大紹介 再発見! 盤遊戯(ボードゲーム)ってメッチャメチャ面白いぞ!!」です。「マスコミ編」「サクセス編」「怪奇・冒険編」「歴史・時代モノ編」「旅行編」「ギャル編」「アメリカ編」とテーマごとに分けて30のボードゲームを紹介してます。「西部警察ゲーム」・・・やってみたい。

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そして、この号最大の問題企画「特集 時計カタログ」です。なにが問題なのかというと、この号が爆発的に売れてしまった要因がこの企画だからなんです。当時は腕時計で特集を組む雑誌なんて無かったんですね。先見の明ってやつですかね。「Part1 スポーツ・ウォッチ・カタログ 道楽時計を持つ」「Prat2 時計雑学ノート 計る、知る、把握する、遊ぶ」の2部構成で、23ページ。それにしても集めに集めたりって感じで、何本の腕時計が載ってるのか、数えるのがめんどくさい。感心しちゃいますよ、ホントに。

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最後は裏表紙。ちなみに出版関係者は裏表紙のことを表4(ひょうよん)って呼んでます。その表4に鎮座ましますのは、大ヒット曲「北国の春」(1977年)で知られる演歌歌手の千昌夫さん。なんかカッコイイですね。「カゴメ野菜ジュース」の広告です。「都会人よ飲みな菜。」ということでした。

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では、次回の昭和58年3月(9号)をお楽しみに!

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