特撮ばんざい!:第62回『仮面ライダーガッチャード』の「その後」を描くVシネクストは「卒業」がテーマ! 本島純政「卒業とは悲しいものじゃなくて、みんなが一歩前に進むもの」舞台挨拶レポート

01 写真左から、福田沙紀、熊木陸斗、本島純政、藤林泰也、安倍乙、山口恭平監督

2024年8月に最終回を迎えた連続テレビドラマ『仮面ライダーガッチャード』の後日談として、仮面ライダーガッチャード=一ノ瀬宝太郎(演:本島純政)、仮面ライダーマジェード=九堂りんね(演:松本麗世)たちの高校卒業を描くVシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ』(監督:山口恭平/2025年2月21日期間限定上映)がこのたび完成しました。2025年1月23日には東京・新宿バルト9にて完成披露舞台挨拶が行われ、山口恭平監督と主要キャスト陣が登壇し、チームワークの良さをうかがわせるクロストークを炸裂させました。

Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ』メインビジュアル

あらすじ
高校の卒業式を目前に控えた宝太郎やりんね、そして「錬金アカデミー」の銀杏蓮華、鶴原錆丸たちが、なぜか同じ時間を何度も繰り返す「タイムループ」現象に巻き込まれました。この状況を理解し、ループする前の記憶を保っているのは黒鋼スパナただひとり。時間の流れを操っているのは何者なのか。その目的は? スパナから事情を知らされた宝太郎たちは真相究明に乗り出しますが、やがて、意外な事実が明らかに――。

本島純政さん

仮面ライダーガッチャード=一ノ瀬宝太郎を演じる本島純政さんは今回の映画について「卒業というのが大きなテーマ。登場人物すべてがそれぞれの道を歩んだ先に、未来が描かれています。観てくださったみなさんの心の中で、『ガッチャード』のキャラクターたちをずっと生き続けさせてほしい」と語り、宝太郎を含めたすべてのキャラクターをこれからも愛してもらえるような作品になったことを明かしました。

藤林泰也さん

仮面ライダーヴァルバラド=黒鋼スパナを演じる藤林泰也さんは「予告編をご覧になった方は、この作品がスパナの目線で話が進んでいくのかなと思われることでしょう。でもそれだけじゃなくて、宝太郎やりんね、そしてこちらの2人(ミナト、鏡花)などみんなに見せ場があり、それぞれの『卒業』のもようが描かれています。すごく楽しく、深い物語です。ぞんぶんにお楽しみください」と熱く語りました。

安倍乙さん

錬金アカデミーで宝太郎やりんねのよき先輩として活躍した銀杏蓮華役・安倍乙さんは「台本を読んだとき、それぞれのキャラクターが未来へ向かって進んでいくストーリーに、脚本家(大西雄仁/監修:内田裕基)さんの愛を感じました。みんなの卒業後の進路であるとか、さまざまな要素が詰まっていますので、何度も繰り返し観てほしいです」と、リピート鑑賞をすすめたくなるほど愛おしい作品だと強調しました。

熊木陸斗さん

錬金アカデミーで宝太郎やりんねを見守るミナト先生を演じる熊木陸斗さんは「『ガッチャード』とは、観ているみなさんの背中を押してくれる作品だという印象を抱いていました。今回の映画でも、最後まで背中を押してくれると強く思います。テレビシリーズを観てくださった方たちへの感謝の気持ちがホン(台本)に込められていて、そこを大事に思いながら演じさせていただきました」と、1年間にわたるテレビシリーズを応援してくれたファンへの感謝がこもったコメントをしてくれました。

福田沙紀さん

黒鋼スパナの師匠にあたる錬金連合の開発者・枝見鏡花を演じる福田沙紀さんは「1年間『ガッチャード』を応援してくださったファンのみなさんも出席していただく『卒業式』のような作品。そんな気持ちで映画を観てくださったらうれしく思います」と、『ガッチャード』の作品世界を愛するファンへの贈り物のような映画ができたことを喜びつつコメントしていました。

山口恭平監督

山口監督には、同時上映となる短編作品『ホッパー1のはるやすみ』(日本語吹替版)についてのお話が飛び出しました。「台本には、ホッパー1をはじめとするケミーたちの言葉しか載っておらず、注釈のような形で『彼らはこういう意味のセリフをしゃべっています』と説明されていました。アフレコでも、『ホパホパ~!』とか、声優のみなさんにはケミー語しか話していなかったのですが、せっかく来ていただいたんだからと、日本語のセリフでも収録してくださいとお願いしました。別バージョンを作って、映像ソフトの特典とかで発表できたらいいなと思っていたところ、偉い人に観てもらったら『これ日本語(吹替版)のほうが面白いね』という意見が出て、こちらが上映されることに(笑)」と、日本語吹替版上映の驚きの経緯を説明してくれました。

予告編でのミナトと鏡花の「結婚式」カットは真実か? 幻か?

予告編や、宣伝用スチールにはミナトと鏡花が教会で結婚式を挙げる場面が見られます。これについて熊木さんは「まあ写真は出ていましたけれど、あれが現実のことなのかどうか? どこまで話していいのか……(苦笑)」と、イメージシーンかもしれないし、現実に結婚するかもしれないと、真相をぼかしてコメントされました。すかさず藤林さんが「タイムループを30回くらい繰り返していると、もしかしたら熊木さんのほうがウエディングドレスを着ているかもしれませんよ(笑)」と、本作のタイムループ設定を交えてギャグを飛ばし、会場を笑いに包みました。

時間を戻して、もう一度体験したいこと?

続いてMC(宮島咲良)より「みなさんが時間を戻してでも繰り返したい、好きなことは?」という質問が飛びました。

同じフレーズが自然に出る、本島さんと藤林さんのシンクロに騒然!

この質問に対して、本島さんと藤林さんは特に申し合わせていないのに「ガッチャードの撮影期間中」「朝」「ロケバス」と同じフレーズを思い描いていたことが判明。あまりのシンクロ具合に、思わずお互いガッチリ握手する場面も見られました。藤林さんは「早朝のロケバスの窓から見える“朝陽”の景色が忘れられない。あれを見て、今日も一日頑張ろう! という気持ちになれる」と目を輝かせながら語りました。そして本島さんは「ロケバスの中で台本を読みながら『このシーン、現場でお芝居をするとどうなるんだろう?』と想像をめぐらせるのが好きでした」と、共演者や演出によって自分の予想していた以上の変化が起きるテレビドラマの現場への愛着を示しました。

安倍さんがロケバス内で楽しみにしていたこと

安倍さんの「繰り返したい好きなこと」は、「ロケバスで眠る」ことでした。朝の早い撮影の中で、睡眠をとる貴重なひとときを愛する安倍さんでしたが「(藤林さんが)寝顔集を作ってますからね……」と、共演者の寝顔を写真に撮ってコレクションしている藤林さんに、ひとこと物申す場面が見られました。

山口監督のとっておき「情報」とは?

山口監督が「何回でもループしたい楽しみ」とは、「お風呂に入ること」でした。クールな役柄のスパナと違い、陽気でテンション高めの藤林さんは、「最近、入浴剤にハマっています」と話す山口監督に「お気に入りの銘柄は?」とグイグイ質問。すると山口監督が「カモミールかな……この情報、要ります?」と少々照れつつ、リラックス効果のあるカモミールの香りの入浴剤が好きなことを明かしてくれました。

藤林さん「みんなの仲のよさが伝わる作品です」

最後にマイクを手にした藤林さんは「僕がしゃべりすぎて、(舞台挨拶の)時間を食ってしまってすみません! でも、映画を観てくださったら、あいつがあれだけ喋りたがっていたのは、こういうことだったのか! と納得してくださると思います。キャストみんなの仲のよさが伝わる作品ですので、ぜひ観てください!」と、物語の中で重要なポジションにいるスパナの活躍をファンの方たちに観てほしいとアピールしました。

本島さん「スタッフ・キャスト全員の思いが伝われば……」

続いて本島さんは「さっきヤス(藤林さん)が言っていたように、『ガッチャード』スタッフ・キャスト全員の、1年間の思いがみなさんに届いたらいいなと思っています。卒業って悲しいものじゃなくて、それぞれが一歩前に進むためのものなんだよって、この映画を通して伝われば嬉しく思います。ぜひ映画館へ観に来てください!」と語って、本作の出来栄えに自信のほどを見せました。

Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS/ホッパー1のはるやすみ』は2025年2月21日から全国劇場にて期間限定上映。

Ⓒ2025 石森プロ・ADK EM・バンダイ・東映ビデオ・東映
Ⓒ2023 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

配給・発売・販売:東映ビデオ

秋田英夫
あきた・ひでお
 フリーライター。『宇宙刑事大全』『大人のウルトラマン大図鑑』『日本特撮技術大全』『東映スーパー戦隊大全』『上原正三シナリオ選集』など特撮書籍・ムックの執筆・編集に携わる。好評放送中『仮面ライダーガヴ』もいいですが、さわやかすぎる青春の息吹を感じさせる『仮面ライダーガッチャード』も楽しんでいきましょう!

関連記事一覧