
ニッポン放送アナウンサーで、放送業界一とも言われる超・特撮ファン、新行市佳さんが書き下ろし連載でモノ・マガジン Web に降臨!
テーマはもちろん「特撮」。イチバン好きな特撮をイチから十まで語ります。
第9回は、ゴジラの元祖ライバルにして名パートナー、怪獣界屈指の愛されキャラを語ります!
ゴジラ70周年記念企画としてスタートした「ゴジラ・シアター」が今年も開催されています。
1月に『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)、『メカゴジラの逆襲』(1975年)の2作品、2月は『ゴジラVSメカゴジラ』(1993年)が既に公開され、2月28日からいよいよ『ゴジラの逆襲』(1955年)の上映がスタート。
また、3月は『モスラ対ゴジラ』(1964年)、4月には『怪獣大戦争』(1965年)の上映も決定しています。
4Kデジタルリマスター版の上映ですので、スクリーンで観るのが本当に楽しみです。
『新行市佳のイチから特撮!』第9回目は、私の大好きな怪獣アンギラスが初めてスクリーンに登場した作品『ゴジラの逆襲』の上映開始にちなみ、アンギラスをテーマに書こうと決めました。
昨年は初代『ゴジラ』(1954年)上映から70周年でしたが、今年の4月24日にはアンギラスが初登場した『ゴジラの逆襲』から70年を迎えます。

「ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ周年記念作品4KリマスターBOX <完全予約限定版>」に収録の『ゴジラの逆襲』より TM & Ⓒ TOHO CO., LTD.
『ゴジラの逆襲』(1955年)でデビューした初代アンギラスは目付きが険しく、性格も荒っぽい。『怪獣総進撃』(1968年)で登場した二代目は、つぶらな瞳でアイドル系にキャラ変!
モノ・マガジンwebで連載をされているGGタイムズでお馴染み、東宝・ゴジラルームの清水俊文さん!
もちろん、アンギラス70周年のグッズ出ますよね…?

新行アナに特撮を教えてくれた叔父さんのコレクション。アンギラスのデフォルメトイ。

膝をついた四足歩行ポーズがアンギラスの魅力!
それでは、アンギラスの魅力と活躍をご紹介しましょう!
『ゴジラの逆襲』(1955年)で登場したアンギラス。
岩戸島でゴジラと戦い、その後に大阪で激闘を繰り広げています。
次にスクリーンに姿を現したのは『怪獣総進撃』(1968年)
見た目が可愛らしくなった二代目アンギラスですね。
富士山麓でのキングギドラとの決戦では、真っ先にキングギドラに突進をして噛みつくガッツを見せ、アンギラスの奮闘がキラアク星人の地下要塞の発見に繋がります。
強敵相手にも果敢に挑んでいくスピリッツは素晴らしい!
『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972年)では、ゴジラと共闘してガイガンとキングギドラのタッグに立ち向かっています。
この作品の注目ポイントの一つが、ゴジラとアンギラスが吹き出しで会話するシーンですよね。
「おいアンギラス」、「なんだい?」
子供の頃、この作品をレンタルビデオ店で借りて観て、この場面に凄くほっこりしました。
ゴジラの相棒というポジションも良いなと思いましたし、怪獣同士の会話というのが斬新で、「怪獣たちの友情ってあるのかな。」なんて妄想してニヤニヤしていました。
このようにゴジラ作品に何度も登場しているアンギラスですが、悲しいことに、アンギラスには不遇なところがあります。
①これだけ活躍しているにも関わらず、タイトルに名前が入ったことがない。
「ラドンも入っていないじゃん!」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、『空の大怪獣 ラドン』という主演作がありますよね。
社内の人から「総進撃にほんの少ししか出ないバランだって可哀想だよ。」と言われましたが、バランにも『大怪獣バラン』という主演作があります。
そんな中、アンギラスは(泣)
これだけゴジラ作品に出演しているのだから、作品タイトルに名前が入るか、主演作があってもおかしくないハズなんです!
②痛々しいシーンが多い。
『怪獣総進撃』では、キングギドラに噛みついて離さなかったばかりに空中から落とされ、キングギドラに踏みつけられています。(まるで足つぼマットのように…!涙)
『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』では、「すぐていさつにゆけ」とゴジラに言われて偵察をしようとしたのに勘違いをされて防衛隊に攻撃されます。この時の鳴き声が切ない。さらにガイガンにお腹の回転カッターで頭を切り裂かれて流血。
『ゴジラ対メカゴジラ』では、にせゴジラ(メカゴジラ)に何度も蹴り飛ばされ、地面に叩きつけられ、口をこじ開けられて血を流しています。
でもね、常にそれだけ一生懸命戦っているんですよ!
なんて健気なんでしょう。
③『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)ではボールになる。
X星人に操られ、富士山麓でラドンとキングシーサーと共にゴジラに挑むアンギラス。
3体同時にゴジラに向かっていきますが、ゴジラがアンギラスを踏み台にしてジャンプをして攻撃を回避。(やっぱり踏まれる)
アンギラスボールとしてゴジラに体当たりするも、2回目は尻尾ではじかれてラドンと衝突。
そして、キングシーサーに蹴られ…ナイスシュートとはならず、岩盤へ激突しています。
ちなみに、『ゴジラVSスペースゴジラ』(1994年)や『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)、『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年)等で登場する案もあったそうですが、様々な事情で惜しくも機会を逃しています。
そんな少し不憫な部分も含めてアンギラスが好きなのですが、一人のアンギラスファンとして、「どうか、報われて欲しい。」と切に願っています。
いつの日か、ゴジラ・フェスで『アンギラスの逆襲』と題して、キングギドラやガイガン、にせゴジラに仕返しをする短編が上映されないものかと勝手に妄想しています。
そんなアンギラスのデビュー作『ゴジラの逆襲』は2月28日から上映がスタートしています。
初代『ゴジラ』ではオキシジェンデストロイヤーによってゴジラを葬りましたが、『ゴジラの逆襲』ではどのような作戦で人類は立ち向かうのでしょうか。
2大怪獣に蹂躙される大阪の街、堂島川や大阪城での死闘は目が離せません。
漁業会社のパイロット・月岡の活躍や、対策本部のシーンでゴジラの形をした木片が地図上に配置されている部分から、『ゴジラ-1.0』を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんね。
最後に一言。
アンギラス!
ちょっと早いけれど、70周年おめでとう!

2025年6月18日リリース
「ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ周年記念作品4KリマスターBOX <完全予約限定版>」
詳細はこちら
発売・販売元:東宝(株)

Profile
新行市佳 (しんぎょう・いちか)
ニッポン放送アナウンサー。
1992年東京都生まれ秋田県育ち。 2015年ニッポン放送に入社。
現在は朝のニュース番組『飯田浩司のOK!Cozy up!』(月~金・6時~8時)と『藤井貴彦 Saturday Night Buzz』(土・19時~21時)でアシスタントを担当。
大の特撮好きであり、ニッポン放送と「ゴジラ」とのコラボ番組『ゴジラ|ニッポン放送70周年特別番組 幻のラジオドラマ復活!新春ゴジラ談義』や『山崎貴のオールナイトニッポンGOLD~ゴジラ|ニッポン放送70周年スペシャル~』でアシスタントを務めた。

ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』
月曜日~金曜日の6時から8時まで生放送! ニッポンと世界の今が分かる朝のニュース番組。パーソナリティは飯田浩司アナウンサー。アシスタントは新行市佳アナウンサー。radiko、ポッドキャストでも聴ける。

ニッポン放送『藤井貴彦 Saturday Night Buzz』
好きな男性アナウンサーランキングで1位を獲得し、2024年春にフリーとなった藤井貴彦氏の初ラジオ番組! 毎週土曜日7時から9時放送中。街の情報やリスナーのお便り、自身のエピソードなどをもとに話すトークバラエティ。パートナーは新行市佳アナウンサー。
【次回予告】
「新行市佳のイチから特撮!」第10回は3月14日公開!(通常2日と16日の月2回アップ)。特撮愛が溢れて止まらない、アツい連載を見逃すな‼
【急告! スクープアップ!】



『モノ・マガジン』2-16 号(1 月 31 日発売)はラジオ放送 100年特集!『飯田浩司の OK!Cozy up!』スタジオ密着レポート掲載! バックナンバーは書店お取り寄せや「mono shop」で!