北欧の雄、ボルボ。1926年に誕生した老舗自動車メーカー。近年の売れ筋モデルはコンパクトSUVのXC40。これは日本ではカーオブザイヤーにも輝いた実力派モデルでもある。XC40は昨年8月より全モデル、電動化。といっても完全EVではなく全モデルにモーターを搭載し来る将来に備える布石をしたのだ。モデル構成はバッテリーのみのBEV、プラグインハイブリッド、マイルドハイブリッド採用の3つ。純ガソリンエンジンや純ディーゼルエンジンはカタログ落ちしている。
今回試乗したのはラインナップ中もっともオーソドックスなマイルドハイブリッドシステム搭載車両でラインナップ中最もホットモデルのB5 R-DESIGN。ちなみにB4は最高出力197PS、最大トルクが300NmだがB5は250PS、350Nmとパワフル。駆動方式もB5は4WDのみの設定。
このマイルドハイブリッドシステムはモーターをスターターや回生ブレーキ、加速時のエンジンをアシストするモノでスターターなども担うからISGMという名称もある。走り出すとモーターがアシストしている感覚は皆無。しかもコンパクトとはいえ1.8t近いSUVボディというハンデはないかのごとく力強い加速を披露してくれる。車重が車重だから軽快感ではなくパワフル。それでいて加速はスムーズでレッドゾーンまでその加速が続いてくれる。よくよく考えれば超高性能エンジンの目安のひとつがリッター100PS。このパワーユニットはやすやすとそれを達成しているのだ。
これだけパワフルであってもそこはボルボ、高速道路などの巡航時で低負荷領域は2気筒を休止させるなど燃費向上技術もさすが。
一方ワインディングも走ると想像以上に楽しい。トルクがいい感じに盛り上がり、コーナー立ち上がり時もターボラグを感じさせない。回生ブレーキなので踏んだ時に違和感を覚えるかと思いきやそれも少ない。唯一のネックはMTモードにするときはシフトノブが小さいのと意思を持ってMTモードにしなくてはイケナイ点。このお楽しみのためのパドルシフトがないのも残念なところ。ただ、ドライバーの「お楽しみ」をエコだからちょっとは我慢しようよ、というようなドライバーに我慢を強いることをしてないのは電動化しても嬉しい誤算だろう。
乗り心地の面も専用のスポーツサスペンションを装備しているがボディがしっかりしているので乗り心地もいいし室内の静粛性能も高い。アイドリングストップのオンオフもショックを受けない、さすが2018-2019のカーオブザイヤー受賞車と思わず唸った。
専用装備は内外装にも及ぶ。特にインテリアは人工皮革とナッパレザーを組み合わせたシートになるし、フロアカーペットやドアの内張りに明るいオレンジを組み合わせるオプションも選択可能になる。
先進安全装備の充実ぶりはさすがボルボ。初期投資が抑えられるのでコスパもいい。また新車保証も5年間走行距離無制限と手厚いのも魅力。ラゴム精神(ほどほどに、ちょうど良いの意)のスウェーデンだがこのクルマの出来は侮れない。
なおボルボは今年の6月までは毎週100名、合計2600名に当たる1泊2日の試乗キャンペーンを実施中。長距離を試すにはもってこいの企画だ。
XC40 B5 AWD R-DESIGN
価格589万円
●全長×全幅×全高:4425×1875×1660(mm)●エンジン:1968cc直列4気筒ターボ●最高出力:250PS(184kW)/5400-5700rpm●最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1800-4800rpm●モーター最高出力:10kW/3000rpm●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm●WLTCモード燃費:12.8km/L
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