発明家が考えると、日常の道具がこう変わる!

発明家の小川コータさんは2021年に自身の発明を商品化して発売するブランド、エジソンラボを立ち上げた。「発明はアートだ」。だから「世になかったものを作る」「常識を打ち破る」「人を感動させる」という3つが必要だというポリシーのもと、数々の商品を生み出している。ちなみに「フリック入力」を発明したのもコータさんだ。

写真/青木健格(WPP) 文/ふかさわ人

小川コータさん
発明家、弁理士、AKB48、ももクロにも提供する作詞家、作曲家。音楽ユニット「小川コータ&とまそん」として活動中。
『モノ・マガジン』のセンター見開きを切り取って楽しむという雑誌ならではのアイデアもコータさんによるものだ。著書『発明家(仮)』も近日発刊予定。

ニーズを絞り込んで隠れたニーズを洗い出すのがコツ

発明のタネとなるニーズを見つけるには、どうしたらいいか? ありきたりなニーズでは、それを解決する発明をほかの人がすでにしてしまっている可能性が高い。コータさんはニーズを〈定量的↔定性的〉〈順張り↔逆張り〉というマトリックスで考えることが多いという。目をつける点はズバリ「定性的で逆張り」の隠れたニーズ。これこそ発明の秘訣だった!

横軸の「順張り」は使うときのニーズで、「逆張り」は使わないときのニーズを指す。また縦軸の「定量的」は軽量化や耐久性など数字で比較することができるニーズを、「定性的」とは心地良さなど数字では表せないニーズを指す。発明のコツは、このマトリックスの「逆張りで定性的」のニーズを見つけ出すことにある。

縦開き+モビロンバンドで小銭やカードを出しやすく、ポケットの中で存在感のない財布

エジソンラボ/FINALE UT 価格5500円
電子マネーの時代になってもとりあえず最低限の現金は必要だという考えから、人生で持つべき最後の財布として発明。持ち歩くときには存在感をなくし、いざ、使うときにはスムーズにお金やカードが取り出せる。
小銭15枚、カード10枚、お札、自宅の鍵を収納しても厚みが1㎝の極薄。容積を節約するためにスナップボタンなどの金具をなくした。
コータさんが自分的にひとつだけ作り愛用していた財布が原型に。財布のふたつ折りをキープするフラップ機構を発明し、特許を取得。

置いた瞬間にベルトがなくなるバッグ

エジソンラボ/SchuBelt(シューベルト) 価格1万2300円〜
財布のFINALEを製造している会社がバッグも製造できることを知り、バッグの隠れたニーズを分析することで発明した商品。背負っているときに必要なベルトだが、バッグを下した瞬間にシューッとベルトが収納される仕組み。まさにリュックを使っていないとき(=逆張りの考え)を意識して生まれたものだ。

ベルトの長さ調整はボタンを押してワンタッチでできる。長さは記憶するので、いちいち調節する必要がなく、煩わしさはゼロ(ちなみにコチラはLサイズ)。

リュックにもショルダーにもハンドバッグにもブリーフケースにもキャリーオンとしても使える5wayバッグ。もちろん特許取得済(コチラはSサイズ)。

★発明のコツ、逆張り
上のマトリックスにある「順張り」と「逆張り」だが、「順張り」ニーズは使うときのニーズで、「逆張り」ニーズは使わないときのニーズ。このリュックはまさに使わないときのニーズ、「逆張り」の発送で生まれたアイテムだ。

10秒で棚になる時短スーツケース

エジソンラボ/FLIP 価格2万1000円
スーツケースは使わないときには家の中では邪魔になることに気づき、自宅やホテルで棚として使える商品を発明。上開き式で蓋を開け、ハンドルを伸ばしてソフトシェルフをかければわずか10秒で棚が完成する。キャスターが取り外しができ、キャスターを外した寸法が機内持ち込み可能なサイズとなっている。

★発明のコツ、常識を疑う (定性的)
上のマトリックスにある「定量的」と「定性的」だが、「定量的」ニーズというのは、軽量化や耐久性など数字で比較することができるニーズのこと。「定性的」ニーズは心地よい、かっこいいなど数字では表せないニーズのことを指す。このリュックはまさに「定性的」なニーズの発想で生まれた。

エジソンラボ
※エジソンラボ公式LINEでは限定割引販売のほか、コータさんに直接質問もできる。

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