祝・ラジオ100周年! ニッポン放送 朝のニュース番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』スタジオ密着リポート

※祝・ラジオ100周年! 日本でラジオ初放送が行われたのは、1925年3月22日。『モノ・マガジン』本誌では、「ラジオ100周年特集」(1月31日発売)で様々なラジオの楽しみをお伝えして好評でした。ジャスト100周年を迎えた今、反響の多かった記事から、ニュース番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』スタジオ密着リポートを、web版に再編集して公開します。

早朝から熱い激論が繰り広げられることで人気のニッポン放送の『飯田浩司のOK! Cozy up!』。ニュースにどんな背景があり、私たちの生活にどんな影響があるのか? 多彩なコメンテーターやゲストとともに考える、ニッポンと世界の今がわかる朝のニュース番組だ。その生放送の舞台裏に昨年12月13日早朝、完全密着取材を行った。

写真/鶴田智昭(WPP) 文/下川冬樹

[まずは、番組紹介を]

[それでは、スタジオ密着リポートをどうぞ!]

AM 3:30
ラジオ局の朝は早い!

AM 4:20
新行さん報道フロア入り!

AM 4:50
飯田さん報道フロア入り!

AM 5:21
生放送スタジオへ移動

AM 5:50
生放送スタンバイ完了!

一方、パーソナリティを務める飯田さんはギリギリまで入念に新聞チェックを行い、本番開始10分前にスタジオへ移動。いよいよ生放送本番スタンバイだ。

AM 5:52
コメンテーターと顔合わせ

AM 6:00
本日の生放送がスタート!

早朝から巨大なエビフライを実食!?

この日の主なニュース

南京事件の日。日本大使館が邦人安全へ警備強化を要請/麻薬取締法改正。大麻草の医薬品としての使用が可能に/トランプ氏の大統領就任式に中国・習近平国家主席招待か/ECBヨーロッパ中央銀行が0.25%の追加利下げ/補正予算案が衆議院を通過/経済同友会と連合の代表が会談/韓国で大統領弾劾訴追案再提出/自民、公明、日本維新の会が、教育無償化議論の専門チームを年内にも設置。

AM 8:10
お疲れさまでした!

AM 8:15
本日の振り返り

AM 8:30
取材

[そして、モノマガインタビューです]

激論タイムに台本は無し
面白くなるなら脱線大歓迎!

 密着取材のこの日は、ふたりのコメンテーターを迎えて放送する「激論! Wコメンテーターウィーク 国民の生活をどう守るかスペシャル」の最終日で、コメンテーターは経済アナリストのジョセフ・クラフトさんとジャーナリストの佐々木俊尚さんが務めた。

 番組冒頭ではプロ野球・DeNAベイスターズの大ファンというジョセフさんへのサプライズとして三浦大輔監督から生声のエールが届き「Cozy up! をやっていてよかった」とジョセフさんも大感激。なごみタイムを番組の随所にはさみつつ、この日は中国情勢や、アメリカのトランプ大統領の就任式の件、補正予算案の衆院可決、教育無償化を議論する専門チームの設置などをテーマに、テンポよく激論をかわした。

「ニッポンと世界の今がわかる、がコンセプト。朝の忙しい時間に、これひとつ知っておくと仕事で役立つとか、話題のとっかかりがつくりやすいという旬なネタを並べています。コメンテーターの感想だけで終わらずに、しっかり根拠をもって紹介しているのがポイントですね」とは番組のパーソナリティを務めるニッポン放送・アナウンサーの飯田浩司さん。

 そのうえで日々の業務で大切しているのが準備だという。

「音声はごまかすことができません。この番組は生放送ですし、感情が出ることも多いので『この人、自信を持って話しているな』とか、リスナーに簡単に見破られてしまうのです。知ったかぶりをするとすぐバレる。見栄やウソがバレるのが怖いので、準備は入念に行いますね」(飯田さん)

 番組では「モノ・マガジンweb」の特撮連載でもご存じニッポン放送・アナウンサーの新行市佳さんがアシスタントを務めるが、ニュース読みなども担当する彼女がこだわっているのが音。

「例えばラジオショッピングのコーナーでは今日の商品はエビフライでしたが、食べてコロモがサクっとする音だったり、映像に頼れない分、言葉を尽くしていかに感情をのせるか。音を有効に使うことを考えています」(新行さん)

 ニュースのラインアップは前日夜に固めておき、翌朝の各紙朝刊などをみて最終確認を行う。

「朝起きたら世界が変わっていたということもあるので本番直前でニュースを差し替えることもあります。旬なものがコレ、となれば臨機応変に対応しますし、それができるのもラジオのメリットかもしれませんね」(飯田さん)

 番組のメインとして取り扱うニュースは経済と外交が中心。

「もちろん事件など社会ネタも扱いますが、コメンテーターの専門分野も考慮して、単なる個人の感想だけで終わらないように心がけています。それが、ワイドショーとの差別化でもありますね」(飯田さん)

 コメンテーターとの激論タイムでは基本的に台本はないという。

「だいたいの進行はありますが、面白くなるならどんどん脱線していいというのが番組のスタンス。CMのタイミングでゼロに戻すこともできますしね」(飯田さん)

 展開によっては新行さんも絶妙なタイミングで合いの手を繰り出し番組の流れを円滑にしている。

「シーンごとに自分が出る出ないは常によく考えていますね。飯田さんの話す間合いで今、リアクションがあったら話題が広がるかなとか」(新行さん)

 これには飯田さんも「新行さんには合わせてもらってばっかりで、いつも助けてもらっていますね」と感謝しきりだ。

 そんな飯田さんがこだわり続けているのが、必ずしもわかりやすさが正しいとはいえないこと。

「わかりやすく伝えることで結果的に大事なことを端折っていたり、例え話が本質的な部分に影響を与えて、事実が歪んでいないかということですね。対立構造にすると説明は簡単になりますが、一方でレッテルを貼ってしまうことになりかねません。だからこそ、むずかしい言葉を言い換えるときには気を遣います。パーソナリティは話を引き出すのが仕事なので、知ったかぶりをせずに、はっきりわからないということも大事。常に意識しているのはコメンテーターに『こうですよね?』と断定したパスは出さないこと。最初にザックリどうなんですか? と聞いてから戻ってきたコメントで、ならばこう展開していこうかと臨機応変に組み立てています」

 生放送でありがながらも、ディテールまで丁寧なつくり。番組が支持される理由に納得だ。

STAFF

左/番組の台本を作成する放送作家の小谷亮介さん。『Cozy up!』らしさを追求している。右/番組ディレクターを務める鈴木賢一さん。現場のムードメーカー。スタッフは固定でなく曜日でローテーション。
サブディレクターの佐藤圭介さん。番組の生放送中に同時進行でポッドキャスト用の音声編集も行う。
ミキサーの市村真澄さん(右)とADの滝田萌愛さん(左)。生放送が無事終わってホッと一息。

4月19日(土)
『飯田浩司のOK! Cozy up!』番組イベント開催
激論! 有楽町サミット2025

番組の討論イベント第3弾。激動の国際情勢の中で、私たちの日本はどこへ向かうべきなのか? 飯田さん、新行さん、そして論客たちが、政治経済から外交安全保障まで、有楽町・東京国際フォーラムでここでしか見られない激論。指定席6800円ほかチケット発売中。特製グッズにも期待。
イベント公式サイト

ニッポン放送アナウンサーで、放送業界一とも言われる超・特撮ファン、新行市佳さんの書き下ろし連載『新行市佳のイチから特撮!』もどうぞ!

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