
2025年3月29日現在、最新号は956号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと44号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。
ちなみに昭和58年4月の出来事はというと・・・、
◎千葉県浦安市に東京ディズニーランド開園
です。
※画像はクリックすると拡大表示されます。

ハイ、これが10号の表紙です。ダイヤを散りばめたキラッキラッのゴージャスなキヤノンのF-1が大きく入ってますが、これについては「SUPER GOODS OVER THE TOP」のところで紹介します。
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目次です。右のページは、青山眼鏡の広告です。1960〜70年代にかけて世紀の二枚目として、特に女性たちに人気を博したフランスの俳優、アラン・ドロン(Alain Delon)。彼のセンスでセレクトされたのが、このA・Dコレクションだそうです。この広告のコピーの後半を引用しときます。「そのフォルムのシックなニュアンスは、まさにヨーロッパの香りだ。アラン・ドロンを真似るのではなく、自分の個性を磨く人にとって、A・Dブランドは新しいテーマだ。」。
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で、今号も初っ端は「LINE・・UP」。18ページで14アイテムを紹介してます。そのラインナップは、「★欧米で人気のIDグッズ!もしもの時のタリスマン」「★不思議なストライプ歯磨アクアフレッシュの秘密?」「★誰もが待ってた高性能“60タイヤ”がついに解禁」「★本命・対抗ズバリ適中!ダービーコンピューター登場」「★テキサス生まれのジェットコースター“サイクロン”」「★世界中の人気キャラクターが飛び出す立体メガネ!」「★悪漢撃退007も顔負けのスーパーバッグが日本上陸」「★ユーモア&ウィット溢れるパロディ版LAタイムズ」「★なんとABC兵器に対応し、水も飲める防毒マスク」「★最短26cmのストロボ撮影を可能にしたポラロイド680」「★深夜放送なんて目じゃない生の迫力オフィシャルバンド」「★その気になれば戦車やハーフトラックも買えるのだ」「★アウトドアズマン必携のシステムウォッチがこれだ」「★あのヘヴィなモトラが貰える読者大プレゼント企画」。
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とても楽しげな「MONO FLEA MARKET」です。シャッターを切ると光線銃に変形するカメラとか、光線銃型のエマージェンシーグッズ、ポルシェデザインのタイヤ型ケースに入った折り畳みサングラス、パックマン型のテレフォンなどなど、見てるだけでワクワクさせらます。
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そして目次です。ところで、右ページのSEIKO「スピードマスター」は、2本ともジョルジェット・ジウジアーロというイアタリアを代表する工業デザイナーがデザインを手がけてます。ジウジアーロさんは自動車デザインを専門に行うデザイン会社「イタルデザイン」の創設者でもあります。
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「OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で今回気になったのは「むむ、これがうわさのフラストレーション解消器!? “ギブ・イット・ア・ウァック”」。どんな商品かというと「腹だたしさとかプレッシャーは、80年代を生きるにあたり毎日の生活の一部となっている。そこで職場とか家庭で簡単にストレスを解消しようと“ニュー・ベット・ピープ”なるものが考案された。金色でヒット・ミーと文字が書かれており、イライラッときたら、これを叩いて怒り、フラストレーションを発散させようというもの。粗雑に扱ってもまったくめげません。また、このペット・ビーブ、机上サイズなので場所も取らず、どこにでもおける手軽さが人気を呼んでいる。2枚の木板とコイルで作られており、ベースにはゴムバット付と安全である。フランス人は怒ると壁を叩くというが、アメリカ人はベット・ピーブ、それでは果して日本人である我々はどうする?」。なんにしても、これぶっ叩いたぐらいじゃ、気持ちはおさまんないと思います。
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「WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」では「遠からん者は目にも見よ!」という記事を。「慢性化した観のある不況にいらだちが増えたのか、イギリスでは自動車事故が急増しているという。とくに最近は、事故現場で事故直後に後続車が突っこむといった二次災害が目立ち、いちはやく現場に直行したパトロールのお巡りさんが悲鳴をあげる始末。そこでとスコットランド・ヤードの知恵者が登場、パトロールカーの回転警告灯を4.5mまで伸びるようにしたテレスコープ型ライトを開発した。これだと現場に急行したバトカーは、ただちに回転灯をたかだかとかかげ、後続車ドライバーの警告視認を容易にできるというわけ。実験の結果は上々で、これでまずひと安心といったパトロール警官に、先輩のひとりが注意した。『ライトを伸ばしたら、できるだけ車から離れろ。眠っている奴には見えないからな ……』と。」。しかし、不思議なのは回転灯の下の伸ばしたパイプ。写真をじっくり見ても伸縮式には見えないんだけど、だとすると、回転灯を下ろしたときにパイプはどうなっちゃうんだろう?
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モノクロページなのが惜しいんだけど、「ゴローズ」の高橋吾郎さんのインタビューがあったので載せときます。吾郎さんは当時43歳。1983年のこの頃、すでにモノ・マガジンは「ゴローズ」に目をつけてたんです。ちなみに弊社刊行の「原宿ゴローズ大全Vol.2」「原宿ゴローズ大全Vol.3」は、まだ在庫あります! 在庫僅少、売り切れ御免 !
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「SUPER GOODS」は、これまでとはちょっと違って「OVER THE TOP」の副題が付いてますね。上の上を行く英国モノをずらっと揃えて11ページのボリュームです。表紙にあったカメラもトビラにドーンと載ってます。これは「所変われば、品変わる 国変われば、客変わる」という見出しの記事。「バリのスペクトロン・センターが、『世界で一番高価なカメラが欲しい』という願客の注文に応じて加工した特製キヤノン。 金鍍金とダイヤモンドをちりばめた、キヤノンさんに見せたら魂消そうなF1のお値段は、ざっと500万円。このほか金鍍金だけの廉価版(?)もあって、これが350万円くらい。さすがはパリのカメラ店、新宿西口××カメラとは客筋が大分違うようだ。」というカメラなんです。
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そして、「特集 文房具」。カラーページの「Part1 最新文房具大研究」と「Part2 Stationery’s Stories 文房具会物語」の2部構成で、19ページのボリュームです。
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「戦後ヒット商品の系譜 玩具編1」では、製造元が佐藤ビニール工業所(現タカラトミー)、発売元がツクダ屋商店(のちのツクダ)の「ダッコちゃん」を取り上げてます。ダッコちゃんは「何にでも抱きつき愛らしくウインクするビニール製の黒ん坊人形」で「30cmくらいの大きさで、眺める角度により大きな目玉が閉じたり開いたり、ウインクするように見える」。昭和35年(1960年)3月末、「ウインキー」という名で販売開始。しかし、当初はまったく売れなかったそう。ところが、ノースリーブの女性が腕にウインキーを抱き付かせている写真が、新聞の夕刊に載ったことをきっかけに売れ出して、「同年夏の約60日間くらいにデパートだけでも90〜100万個の売り上げを達成」。マスコミが「だっこちゃん」として紹介していたことから、商品名も「ダッコちゃん」に変更したんだそうです。何度かのリバイバルブームを経て、平成13年(2001年)には「だっこちゃん21」として復活してるんで、若くてもご存知の方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
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では、次回の昭和58年5月(11号)をお楽しみに!