1980年代に熱狂的な支持を集めたヤマハ製バイク「TZR250(1KT)」の1/12スケールプラモデルが発売される。模型メーカーのハセガワが完全新規金型で製作したTZR250は、実車のイメージそのままでの模型化に成功している!
独創的なフレームやエンジン搭載法も再現
1985年末にヤマハが販売を開始した中型バイクのTZR250は、純レース用マシンのTZ250のレプリカマシンとして開発され、レーシングモデル譲りのハンドリングと、扱いやすいエンジン特性があいまってクラス最速バイクの1台に数えられた。当然ながら高い人気を集め、当時のオートバイブームを後押ししている。フレームは強固なアルミ製で、これにパワーバンドが広く、操作の負担が少ないエンジンを搭載。レーサーレプリカらしくフルカウルが採用され、高い性能を発揮した。 今回ハセガワからリリースされるのは、このTZR250初代前期型(1KT)を1/12サイズにスケールダウンした組み立て式プラモデル。往年の人気バイクを完璧に再現すべく、詳細な実車取材を行ったうえで完全な新規金型を製作。ハイクオリティなプラモデルキットの実現に成功している。レーサー譲りのカウルは着脱可能で、組み立て後もエンジンやフレームを見ることができる。模型メーカーとして長年の実績を誇るハセガワの製品だけに、実車の再現度だけでなく、組み立てのしやすさも考慮されているのがポイント。約36年前の登場とは思えないハイレベルなオートバイを、この手で組み立てられるのは模型ならではの楽しみだ。
いかにも空力性能が高そうなフルカウルがレーサーレプリカの証。ヤマハワークスカラーの象徴でもあるストロボパターンは付属のデカールで表現可能。カウルは着脱でき、TZR250の特徴でもあるフレームやエンジン&駆動系もまるで実車であるかのように再現されている。
新規金型で製造された各パーツ。写真は試作時のもので、製品版では、カウル&フレームはホワイト、エンジン関連やシートなどのパーツはグレーのプラスチックで成形される。スクリーン用パーツはクリア―、ライト&ミラーの鏡面はメッキパーツでキットに付属する。
(株)ハセガワ
企画開発部 開発グループ次長
久保山弘道氏
「今回のキット開発にあたり、内部の構造は、カウリングとの干渉を避けながらエンジン・フレームなどを配置し、カウルなしで見ても不自然さを感じさせないようにしています。また、テールランプ周りの凝ったデザインは特に注意して再現しています。バイクモデルでは、アッパーカウル用フレームの再現には毎回苦労させられています。
見どころはヤマハ自慢のデルタフレームです。キットを製作する前は、強じんなフレームに直にエンジンを搭載していると想像していましたが、実際にはデルタフレームにぶら下げるようなかたちでエンジンが搭載されており、少し驚きました。このあたりの構造に関しては、ぜひキットで確認してみてください。
私は、TZR250が登場した時期にFZ250フェーザーに乗っていましたが、ワインディングでTZR250にあっさりと抜き去られた記憶が……。次のモデルのTZR250には試乗した経験があり、驚くほど軽快で、4スト400に近い加速性能が体感できました。街乗りだけでなくF-3クラスのレースでも人気になった理由がこれでわかりました」
ヤマハ TZR250(1KT)
スケール:1/12
価格:3960円
パーツ数:161
模型全長:168mm
模型全幅:95.5mm
模型全高:60.5mm
3月20日ごろ発売
写真提供:ハセガワ
ハセガワ:http://www.hasegawa-model.co.jp/
製品紹介ページ:http://www.hasegawa-model.co.jp/product/bk11/