「KINEEL」は、その音の通り、お店を利用した人たちの“お気に入り”になるようにとの願いを込めて名付けられた店名。実は、京菓子處鼓月が母体の洋菓子店です。「鼓月」といえば、季節の上生菓子を始め羊羹や善哉(ぜんざい)、あんみつなどの、いわゆる和菓子も人気ですが、波型の生地にクリームをサンドした「千寿せんべい」が有名ですよね。長年、京菓子を作ってきたからこそのノウハウや経験を生かし、新しい魅力を伝えてくれるのが「KINEEL」です。
2020年、横浜髙島屋の地下に関東初出店。今回オープンした東京ミッドタウン店は、店舗の奥と入口にカフェスペースを併設。実は、喫茶スペースがあるのはここだけ。京都にもありませんでした。そして、これまで京都でしか味わえなかった「姫ケーキ」を販売。テイクアウトだけでなく店舗でも楽しめます。
ここで「姫ケーキ」について、ちょっと説明します。名前の“姫”が表すのは小さくてかわいいケーキのこと。「KINEEL」のコンセプトは、「季節の移ろいを感じる洋菓子」なのだそうですが、それを表現しているのがこの「姫ケーキ」です。サイズ感だけでなく、鮮やかな色やデコレーションもかわいくて、見ているだけでも気分が上がる「姫ケーキ」。手土産にしても喜ばれそう。
このケーキは一般的なケーキよりもサイズが小さめ。なので、日常的におやつとして食べたり、自分へのご褒美として美味しいスイーツが食べたいと思ったときにも気兼ねなく食べられます。店内では、2種類の姫ケーキとドリンクがセットになった「ケーキセット」(1,760円)、それにケーキをプラス1個した「チョイスセット」(2,200円)、さらにケーキを6種選べる「スペシャルセット」(3,300円)の3つのメニューが。このサイズだからできる選択肢ですよね。
「姫ケーキ」は常時9種類ですが、そこから選ぶのは結構、至難の業(?)。どれも美味しそうで、美しくて、なかなか決まらないという問題が。直観で、見た目重視で選ぶのもいいですが、初めてならチョコレートや栗、ピスタチオなど、素材で選ぶのがよさそうです。ということで、今回は「ケーキセット」で「柚子ブール」と「グリオット・オ・ピスターシュ」を選んでみました。
京都産の柚子を使った「柚子プール」は、黄色いコロンとした球状の見た目もキュートですが、柚子の香りに驚かされます。中はさっぱりしたムースに柚子のゼリーが層になっていて、夏にもぴったり。個人的にハマったのは土台になっているサブレ。このホロホロとした食感とバターの香りがとにかく美味しい! これだけ焼き菓子として販売して欲しいぐらい気に入りました。すぐに崩れるようなはかなさで、ムースと一緒に口に入れた時にちょうどいい口溶け感になっています。
「グリオット・オ・ピスターシュ」は、名前の通りピスタチオのムース。ここ数年、ピスタチオはケーキやアイスクリームなど、スイーツでは人気素材。いろいろな所でピスタチオスイーツに出会いますが、こちらの「グリオット・オ・ピスターシュ」はピスタチオの風味がはっきりわかる濃厚な味。口の中にピスタチオの風味が広がっていくのを、じっくりと堪能したくなります。中にはグリオットチェリーのジャムと洋酒漬けの果肉が入っていて、甘酸っぱさがピスタチオの風味を引き立てています。
1種類の通常サイズのケーキを食べるより、小さめの「姫ケーキ」を2種類食べるほうが、何となく贅沢感があります。季節によってその内容も変わっていくということなので、さらに期待が高まりますね。
もう一つ、京都以外ではここだけのお楽しみが「焼きたてフィナンシェ」。店内で焼き上げているので、芳醇なバターの風味と香りが味わえます。焼きたてならではの食感を楽しむなら、なるべくすぐに食べるのがおすすめ。ひと口サイズで手軽に食べられるので、こちらは日常的に食べたい、ちょっといいおやつという感じ。
もちろん、他店でもおなじみの焼き菓子も健在。花びらの形のラングドシャ生地にクリームをトッピングした「ルフル」は看板商品。見た目のかわいさはもちろん、サクッと軽い食感のラングドシャとふんわりクリームの相性が抜群で、手土産やギフトにも一番人気です。「バニラ」(8個入、1,296円)と「抹茶」(8個入、1,566円)が定番ですが、今なら夏限定の「レモンココナッツ」(8個入、1,566円)もあります。サイズや組み合わせもいろいろあるので、用途に合わせて選べますよ。
また、バター風味豊かなフィナンシェに大納言小豆あんが入った「anフィナンシェ」もおすすめ。こちらも「プレーン」、「抹茶」が定番で、今は夏限定の「レモンanフィナンシェ」(各6個入、1566円~)が楽しめます。繊細なデコレーションが目を引く焼き菓子「姫ガトー」(5個入、1,620円)もかわいくて人気です。
バラエティに富んだラインアップがそろう「KINEEL」。いろいろ試してみて、お気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。今はなかなか会えない友人や知人へのギフトとして選ぶのもおすすめです。
公式サイト:https://www.kineel.jp/